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現状把握の基本2(切り口と切り方) その3

【ポイント】
 実際の現場において、現状分析をその後の問題解決や目標達成につなげたい場合には、より多くの視点から切り口・切り方を模索することが大切です。

 

幅広い角度から物事を眺めることにより、事象を多面的に把握する思考が身につきます。

 

その他、切り口・切り方を考える際のポイントについてみていきましょう。

 

<武器としての「切り口・切り方」>
 経験豊富なビジネスパーソンでも、いつもクリエイティブな発想ができるとは限りません。
見通せない先行きを予測するためには、つねに視野を広げる習慣が欠かせないのです。

 

切り口と切り方を広げていくことは、ビジネスで勝ち抜いていくための武器を手に入れることに等しいのだと肝に銘じておきましょう。

 

<多面的思考から深堀へ>
 多面的思考を実践する場合には、一つひとつの要素をじっくり検討しすぎていてはいけません。
より多くの切り口を見つける前にタイムオーバーになってしまうからですね。

 

思考のモードを「切り口の収集」と「切り方の深堀り」にわけて、効率よく分析するようにしましょう。

 

<分析の目的>
 どれほど詳細な分析結果が得られても、それが「分析の目的」から大きく外れていては、結果として無駄な作業となってしまいます。

 

たとえば先程の例で言うと、「自動車所有者の購入理由」についての詳細をまとめても、あまり意味がありません。

 

なぜなら、分析の目的はあくまでも「現在、自動車を所有していない層に対して、どのようにアプローチするべきか」だからです。

 

闇雲に切り口を広げるのではなく、次につながる現状分析を意識しましょう。

 

<仮説思考で感度を高める>
 分析の目的を意識することにも関連しますが、現状分析の前に「仮説思考」を行うことで、得られる結果に対する感度を高めることができます。

 

つまり、「この分析によって得られるデータは、現在取り組んでいる問題の解決や目標達成へのアプローチに、◯◯のような示唆を与えるだろう」という発想ですね。

 

あたりまえのように感じるかもしれませんが、「分析のための分析」にならないよう、仮説思考を行うようにしましょう。

 

【注意点】
 切り口とその切り方を考える際には、次の点に注意する必要があります。

 

<注意点1.全体の定義(切り口)>
 全体の定義とは、MECEで言うところの「モレ」をなくす作業です。

 

自動車購入者は運転免許を取得できるすべての人。
そこから女性や大学生を排除してしまっては、建設的な議論はできませんね。

 

<注意点2.切り口の統一(切り口)>
 切り口は少しでも多く挙げることが望ましいのですが、それぞれの切り口を混ぜないように注意しましょう。

 

年齢でわけるなら年齢で切る。
性別でわけるなら性別で切ることです。

 

「学生は未成年者として扱う」「主夫は女性としてカウントする」としてしまっては、正確なデータが得られません。

 

<注意点3.分解の手順(切り方)>
 切り方については「分解の手順」に注意するべきです。

 

たとえば年齢で切る際に「20代前半はあまりお金がないから……」「50代後半はそろそろ引退が……」などと考えていては、スムーズに分解することができません。

 

まずは、10歳単位なら10歳単位で大きく切ってしまう。
その後、さらに小さく切る必要があるかどうかを検討するようにしましょう。

 

<注意点4.範囲の明確化と切れ目の意味(切り方)>
 また、切り方の範囲は明確にしておかなければなりません。

 

たとえば時間帯で区切る場合に「朝・昼・夕方・夜」としてしまったら、「15時はお昼? それとも夕方?」と混乱してしまう可能性があります

 

加えて、切れ目の意味を共有することも大切です。

 

わざわざ夕方を設定するのは「昼とも夜とも違った客層が訪れる」という明確な理由があるからかもしれません。

 

それならば、夕方という範囲を明確にし(16時〜18時など)、その意味を補足として付しておきましょう。

 

【まとめ】
・現状分析は「切り口」と「切り方」が大事

 

・基本は「多面的に物事を観察する」ことから

 

広く切り口を求めて、深く切り方を考える

 

・経験によって切り口と切り方が増えれば、それが現状分析の武器となる

 

 

前のページ 「現状把握の基本2(切り口と切り方) その2」

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