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因果関係を考える3ステップ その1

【「因果関係の把握」から「問題解決」へ】
机上で議論するだけならともかく、実際の現場において物事の因果関係を正しく把握することは、決して容易ではありません。

 

たとえ常日頃から因果関係を意識していても、目に見えない事象や全体に対する認識が欠けていれば、それだけで誤った理解に陥ってしまいます。

 

しかし、だからといって、因果関係の不利解が常態化してしまうのは、企業としても個人としてもマイナスです。

 

なぜなら、因果関係を正しく把握する、あるいは正しく把握しようと努力することが、問題解決の前進に大きく貢献するからですね。

 

実践的な解決策を導くための糸口となることも少なくありません。

 

そこで現場のビジネスマンには、因果関係を正しく把握するのは難しいことなのだと理解しつつ、仮説思考によって、原因と結果に目星をつけていく姿勢が求められます。

 

あらかじめ決まった正解はないのだと分かっていれば、無理に正しさを追求して、細部にまでこだわることがなくなります。

 

つまり、「現段階での理解」という認識ですね。

 

実は、不確実な要素に囲まれているビジネスの現場においては、そういった「確実な正解がない状態に耐える力」や「発展途上の思考を育てて生かす姿勢」がもっとも大切です。

 

いちばん危険なのは何も考えずに意思決定をしてしまうことですが、同様に、考えすぎて身動きがとれないこともまた危惧すべき状況なのです。

 

因果関係を正しく把握すること、原因と結果をつねに意識することは、それ自体に意味があるのではなく、現状の問題を解決するためのものです。

 

より正しい理解が望ましいのは確かですが、正しい正しくないということよりも「では、その分析結果から、どういった実行可能性のある具体的な対策が考えられるのか」の方が重要なのです。

 

ゴールを見誤らないようにしましょう。

 

正しい因果関係の把握によって、実現できないような解決案への議論を机上で行うのは、学者や研究者だけで十分です。

 

ビジネスパーソンが行うべきなのは、それなりの議論と地に足の着いた迅速な“行動”です。

 

因果関係の迷宮に迷いこんでしまわないように注意しましょう。

 

<因果関係の把握への指針>
もっとも、因果関係を把握するための方法論については、あらかじめ知っておいて損はありません。

 

問題に直面する度に、まったくのゼロから手探りで因果関係を把握しようとすれば、それなりのエネルギーと時間を使わなければなりませんし、さらには解決策の立案はもちろんのこと、実際の行動にも影響が出てしまいます。

 

繰り返しになりますが、いかにすぐれた解決策も行動をともなわなければ意味がありません。

 

「その商品なら、当社はもっと前から考案していた」「中途半端なものに飛びついてしまう早期ユーザーに問題がある」「謝罪の気持ちは持っていたが、どう謝罪するかで揉めていた」などと、後からいくら言い訳しても、ビジネスは前進しないのです。

 

因果関係を把握するためのきっかけとなる考え方、いわゆる「指針」には、次の3つがあります。

 

1.「思いつき」から広げる
2.「原因の原因」は何か?
3.「因果の構造」を図解する

 

特に、1と2に関しては発想や掘り下げ方のテクニックですが、3についてはより実践的な方法論となっています。

 

使い方としては、1や2で収集した原因や結果の“もと”を、3で視覚的にまとめるようなイメージですね。

 

このとき、頭のなかだけで考えようとすると、自ずと限界があります。

 

また、他の人と議論をする場合にも、意見や考えを共有するツールは必須ですね。

 

そこで、手を使って見える化する図解を活用しましょう。

 

図に落としこむことで、俯瞰的な視点を得ることや全体把握にも役立ちます。

 

 

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