良い仮説をつくるための3つの資質 その4
【良い仮説をつくるための3資質】
事例を通じて、仮説思考をただ実践するのではなく、よりハイレベルで活用するためのポイントについて、具体的にイメージできましたでしょうか。
ここからは、それぞれの要素について詳しく解説していきましょう。
日常的に仮説思考を実践している方も、あるいはそうでない方も、自分に欠けているものが無いかどうかチェックしながら読み進めてみてください。
<要素1:ビジネスに関する豊富な知見>
仮説思考のレベルを上げるためには、土台となる「ビジネスに関する抱負な知見」がなければなりません。
具体的には、「5フォース分析」「PPM(プロダクトポートフォリオマネジメント)分析」などのフレームワークや、「パレートの法則」「傾聴のスキル」などのビジネスセオリー、さらにさまざまな企業経営の実例(成功例・失敗例)が挙げられるでしょう。
いずれにおいても、優れたビジネスパーソンとして活躍している方は身につけているかと思いますが、良質な仮説思考を構築するための基礎力としても重要なものばかりです。
ビジネスに対する深い知識があるからこそ、初期仮説がより本質に近づけるようになり、また高いレベルの経験値が蓄積されていくのです。
日常的なビジネスシーンではもちろん、書籍や勉強会などを利用して、知見を高めましょう。
<要素2.違いを見い出す優れたセンス>
次にポイントとなるのは、「違いを見い出す優れたセンス」です。
違いとは、さまざまな事例を学んだ時に、そこから「例外」「想定外」「範囲を超えた数値」を瞬時に読み取り、新規性や独自性を見い出すスキルのことです。
より多くの事例を学び、日頃から違いに着目していれば、誰にでも身につけられる能力ですね。
そのためには、高い意識を持ち続け、センスを磨く努力を怠らないことが大切でしょう。
もっとも、違いを見い出すセンスを身につけるためには、つねに現実を直視していなければなりません。
自社にとって都合の悪い現象や、失敗例なども真摯に受け止め、バイアスを自覚して考えるようにしなければ、正確な違いを見い出すことはできません。
また、多角的な視点や、物事に対する純粋な好奇心も重要となるでしょう。
自然体で違和感を感じられるようになれば、仮説のレベルも高まるはずです。
<要素3.上質な仮説への飽くなき探究心>
また、より質の高い仮説を構築するためには、そこに行き着くまでの追求力や探究心も必要となります。
心のどこかに「この程度でいいか」という妥協があれば、初期仮説はいつまで経っても低レベルのままでしょう。
だからこそ、中途半端な仮説に甘んじないだけのモチベーションが重要となるのです。
それは、仕事に対する個々人の心的姿勢や取り組み方と言い換えてもよいでしょう。
モチベーションを高めるには、ひとつひとつの仮説に対し、「なぜ質を高める必要があるのか?」という共通の認識が必要です。
「プロジェクトを成功させるために」「会社を成長させるために」「社会に貢献するために」というように、高い志を共有することができれば、自ずと仮説の質も高まることでしょう。
限られた時間のなかで、いかに最良の仮説を見い出せるかが肝心です。
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