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因果関係の7つの錯覚パターン その3

・新しいゲーム機が次々に登場しているので、古いゲーム機のソフトは売れないんですよ。
(関西エリア統括マネージャー)
→問題点:直感で判断してしまっている

 

たしかに、時代の流れとともに、これまでとは違った新しいゲーム機が販売されているのは事実です。

 

最新ゲームが好きなファンにとっては、古いハード及びそのソフトをわざわざ購入することは考えにくいでしょう。

 

そうなれば、自然と古いゲーム機のソフトは売れず、中古市場はにぎわいを失ってしまいます。

 

中古のゲームを転売することで利益をあげてきたA社にとっては、新作のゲームばかりが売れてしまうことによって、転売のメリットが無くなってしまいます。

 

新作を卸値で仕入れて売ることも可能ですが、それでは中古の相場を動かしてきたA社の強みを生かせませんし、収益率の低下はまぬがれないでしょう。

 

その点、この意見は正しそうにみえますね。

 

しかし、すべてのゲーマーが新しいゲームを好むかどうかは疑問です。

 

最新作は常に注目を浴びるものの、そこに飛びつくのは一部のコアなファンでしかありません。

 

その後ろにひかえている多くの慎重なゲーマーたちは、面白いと評価された旧作を中古で購入することも十分に考えられるでしょう。

 

そうしたユーザーの中から、中古商品でも構わないという人が、中古ショップを利用する可能性は残されています。

 

また、新作のゲーム機が発売されたからといって、それが必ずしも面白いとは限りません。

 

むしろん、ゲーム機本体を購入するのはリスクをともないますし、一般ユーザーはその点に注意を払っていることでしょう。

 

このように、直感によって「◯◯だから売れない」と判断してしまうと、正しい因果関係を把握することはできません。

 

結果を生じさせた原因をより掘り下げて考えることで、相関関係を正しく把握する努力をすること。

 

それが、問題解決のためには必要でしょう。

 

因果関係の7つの錯覚パターン

 

 

・最近のゲームは難しくて、子どもたちのハートを掴むことができていないんです。
(近畿エリア統括マネージャー)
→問題点:第3因子に気づいていない

 

ゲーム業界はその大きな市場を背景に、日進月歩の成長を遂げており、技術もまたどんどん進化しています。

 

それにともない、グラフィックや性能の素晴らしさだけでなく、映画顔負けの凝った内容のものや、難解なゲームも増えてきました。

 

プレイヤーの技術もまた向上しているため、満足度を高める工夫が必要なのですね。

 

ただ、昔から難解なゲームというものは存在していました。

 

クリア条件の厳しさから、それこそ、誰もクリアできないというゲームも多々存在していたのです。

 

そしてまた、ゲーム市場の主役は子どもたちだけではありません。

 

趣味の一環として、大人たちがプレイしている事実を見逃してはいけないでしょう。

 

それよりも、パソコンやスマートフォンを中心に普及しているソフトの「ダウンロード販売」の方が、中古市場を圧迫していると考えるのが自然です。

 

ソフトという形があるものを市場を介して流通させるのではなく、インターネットを通じて直接ダウンロードさせてしまえば、中古の販売業者は為す術がありませんね。

 

パソコンやスマートフォンだけでなく、最新のゲーム機にもこの流れは見てとれます。

 

インターネットに接続して、日本だけでなく世界中の人と一緒にプレイできるとなると、その流れは自然といえるでしょう。

 

わざわざ店舗に出向くのではなく、自宅にいながら購入から決済までできるのであれば、ソフト制作会社からみてもうまみがあるのです。

 

また、インターネットを介して複数人でプレイすることが前提となっているからこそ、ゲーム内容が難しく設定されているというものもあるかもしれません。

 

このような「第3因子」の存在に気づくことができなければ、現状を正しく把握することはできませんね。

 

市場を冷静に分析すれば、気づけることでしょう。

 

因果関係の7つの錯覚パターン

 

 

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