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因果関係の7つの錯覚パターン その8

因果関係の7つの錯覚パターン その8

<3.因果の勘違い>
いくつか複数の事例を参照して、それらの共通点から導き出された因果関係をあたかも法則めいたものだと考えてしまうこと。

 

そういった事例は、ビジネスの現場でも往々にして散見されます。

 

それらの事例が偏ったもの、あるいは意図的に捻じ曲げられたものだと考えもせずに、因果関係を理解しようとするのは大変危険な行為です。

 

たとえば、伸びている競合の多くがソーシャルメディアを利用したプロモーションを加速させている場合。

 

それをあたかも「成長する企業の必須ツール」だと勘違いしてしまい、既存の営業力を低下させてまでソーシャルメディアに注力してしまえばどうなるでしょうか。

 

おそらく、劇的な効果を得られるどころか、相対的な顧客数の減少が生じてしまうでしょう。

 

その理由は、ソーシャルメディアの活用によって企業が伸びるのではなく、地道な営業活動、提供できるサービスや商品の充実、品質管理、お客さま重視の姿勢、社内教育の徹底など、企業としての基本事項が網羅されていてはじめて、ソーシャルメディアでのプロモーションが生きてくるからですね。

 

ビジネスにおいて因果関係を活用しようと思うのなら、目の前の事象を短絡的に理解しようとしてはいけません。

 

表面上に現れる具体的な活動は、あくまでもその企業を成長させている一つの要因でしかなく、その裏には、極々ベーシックな努力が隠されているものです。

 

因果関係を正しく把握することとは、そういった基本事項を再確認することに他ならないのですね。

 

大切なのは、因果の勘違いがつねに起こるかもしれないと意識しておくこと。

 

因果関係を正しく把握できないことが一般的なのであり、一歩進んだ思考をつねに心がけることが、ビジネスを前に進めるために必要なことなのだと、改めて認識する必要がありますね。

 

それは、すべてのビジネスパーソンに意識させるべき共有認識と言えるでしょう。

 

 

<4.根本的な問題点の見落とし>
「アルバイトスタッフが大量に離脱した。そのことが原因で、全国展開している各店舗の運営ができなくなってしまった。だから、アルバイトスタッフの待遇を改善しよう」。

 

このように、表面上の事象が最終的な結果をまねいていると判断してしまう事例は、数多く散見されます。

 

積極的に物事の本質を見ようと意識しなければ、表面的な事象に左右されてしまうのも無理のないことでしょう。

 

では、アルバイトスタッフが長期的に定着するように労働環境を整備することが、各店舗を安定的に運営するための処方箋として正しい施策となるでしょうか。

 

因果関係に着目すれば、そのことがいかに短期的な解決策にしかならないかがわかります。

 

本当の問題点はどこにあるのでしょうか。

 

具体的には、店舗を安定的に運営できないことによる企業利益の減少が本当の問題点、つまり因果関係の結果です。

 

アルバイトスタッフが辞めてしまうこと、店舗が運営できないことは、その前段階にある予兆でしかありません。

 

そのため、いくらアルバイトスタッフの待遇を改善しても、会社の利益が長期的に安定することはないのです。

 

意味のある対策としては、「アルバイトスタッフの正社員化」「利益重視の経営を見直すこと」「各店舗の独立性向上」などが挙げられるでしょう。

 

アルバイトスタッフの離脱という表面的な事象にとらわれてしまい、根本的な問題点を見落としてしまうのは、一般的によくあることですが、根本的な問題点を見落としていることに気が付かなければなりませんね。

 

表面的に現れた事象に対し、それを最終的な結果の原因と理解せず、根本的な問題を知らせるためのサインだと判断すること。

 

そうすることで、目の前の事象にとらわれることなく、いつでもどんな時にでも、問題を解決するための本質に近づくことができるでしょう。

 

そこに問題解決力の源泉があります。

 

 

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