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仮説と検証 その1

【仮説と検証】
ビジネスの現場で生じるさまざまな問題。

 

社会情勢の変化、競争の激化、競合他社の戦略、市場の熟成など、時々刻々と変わる状況のなかで、いかにそれらに対応していくかが、現代のビジネスパーソンには求められています。

 

それは一企業のトップや役員、あるいは管理職だけでなく、現場で働く末端の社員にまで必要とされている要素です。

 

いくらトップが明確なビジョンをもって会社を動かしていても、いくら役員や管理職に先見の明があっても、実際の現場で働くスタッフにそれが浸透していなければ、具体的な業績として反映されることはないでしょう。

 

とくに、直接ユーザーや顧客と接する立場にいる人間に、そうしたビジネスの根本にある認識を浸透させることが大切ですね。

 

一個人が全ての情報を持ち合わせることは不可能であり、意思決定の際には最初に仮説を立てそれを検証していくことによって、正しい意思決定を導き出すことができます。

 

もし、現場のスタッフが自身の役割をまっとうすることだけに注力してしまったら、会社はどうなるでしょうか。

 

たとえば、目の前に生じたトラブル、クレーム、予測していない事故や事件。

 

そうしたマイナスの要素を、ひた隠しにするかもしれません。

 

万が一上司にバレてしまったら、自分の評価に影響が生じる可能性があるからですね。

 

しかし本来なら、トラブルやクレームは、会社の危機管理体制を整えたり、お客さまの声を真摯に反映させるチャンスでもあるのです。

 

ビジョンや理念が現場のスタッフにまで浸透していないばっかりに、そうした機会を逃してしまうのは大変もったいないこと。

 

また、隠すことによって、大きな問題へと発展してしまうかもしれません。

 

そこで、全社的に認識しておくべきものとして、トップ、役員、管理職、そして現場のスタッフすべてを含めた「考え方の基礎」について、改めて確認しておきましょう。

 

問題が発生した場合にどう対応するのか。

 

誰がどのように処理すべきなのか。

 

とくに、実際に実行する解決策へと導くまでの思考過程を共有することが大切です。

 

クレームが発生したので、お決まりの謝罪をただくり返すのではなく、まずはお客さまの話をしっかりと聞くこと。

 

何を求めているのか、何が不満だったのかを確認し、今後、どのように解決し生かしていくのかを明確にすること。

 

それは、数多くのクレーム処理から導き出された、人間心理を反映しつつ行うプラスの対応なのです。

 

ここでもし、個別の対応やマニュアルを鵜呑みにした行動をとってしまったらどうなるでしょうか。

 

クレームはただの嫌な時間でしかなくなってしまいます。

 

本来であれば、会社のイメージアップや新しい商品・サービスの開発につながるチャンスかもしれないのに、ミスミス逃してしまうのは社員にとってもマイナスでしかありません。

 

そうしたときに、解決策へと導く思考過程を共有しておけば、そのようなミスを減らすことが可能となります。

 

具体的な方法としては、「仮説と検証」をすべての事例において実行すると良いでしょう。

 

目の前の事象に対して感情で応対するのではなく、マニュアルにそって機械的に対応するのでもなく、仮説と検証によって理解しておくのです。

 

クレーム対応がマニュアル化されている背景には、過去、数多くの仮説と検証を行った事実があります。

 

クレームに対する仮説も「反論したほうが良さそうだ」「とりあえず黙って聞くべきだ」「会社の発展に活用するべきだ」などと変わり、最終的な企業の繁栄という目的で検証した結果がマニュアルへと昇華しているのです。

 

そうした共通認識がなければ、マニュアルを効果的に活用することはできません。

 

重要なのは、思考過程の共有なのです。

 

また、前例のない個別の事象に対しても、仮説と検証という一連の思考過程を経ることによって、すべての社員がより正しい選択をすることができるようになるでしょう。

 

もっとも、仮説と検証はクレーム対応のためにあるのではなく、意思決定において相手を説得するために使われるのが一般的です。

 

たとえば、上司に対してAというプラン(仮説)を提案する場合に、理由B(検証1)、理由C(検証2)、理由D(検証3)を使って説明するなどですね。

 

 

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