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論理展開のパターン その3

【反論への対策】
 先述のところで、論理的思考法を身につけることによってスキルアップしたAさんですが、今後はより高いレベルの提案ないしは企画が求められるでしょう。

 

というのも、会議の場では、自ら率先して意見を出さないにも関わらず、他人の意見には何かと口を挟む人が必ずいるからです。

 

会社のことを考えてなのか、それとも自分の存在を誇示するためなのか、はたまた面白半分なのかはわかりません。

 

いずれにしても、発言者は自らの発言に責任を持つ必要があります。
反論に対して口ごもってしまったら、それだけで意見の価値が低いと思われてしまうでしょう。

 

 そこで、論理的思考を行う際には必ず「反論への対策」を行います。
方法は簡単です。

 

自分の意見に対し「なぜ?」「本当に?」「どうやって?」「それが最善の方法か?」と、何度も何度も繰り返せば良いのです。

 

端的に言えば「意見を煮詰める」ということですね。
自らこれらの質問を繰り返すことによって、想定される反論が浮き彫りになります。

 

その作業の中で、意見そのものを改善しても良いですし、論理的に言い返せるのなら再反論する準備をしましょう。

 

【正しい論理展開で身につく6つの力】
 正しい論理展開のパターンを身に付ければ、次のような能力が得られます。

 

【自分に対して】
<1.理解力>
 論理的に考えるクセが身につけば、物事に対する理解力が深まります。

 

他人に理解してもらうためには、まず自分がより深く理解しなければなりません。
その前提として論理思考は必須です。

 

<2.推理力>
 また、論理的に考えることが当たり前になれば、物事にはパターンがあることが分かってきます。

 

思考に枠を設定してはいけませんが、瞬間的に推論することで、考えるスピードが飛躍的に上がります。

 

<3.創造力>
 論理の基本パターンを身につけることで、発想をさらに飛躍させられるようになります。

 

既存の手法や考え方を熟知しているからこそ、新しいものが生み出せるようになるのです。

 

【他人に対して】
<4.説明力>
 いくら自分が理解できていても、それを分かりやすく説明できなければ、意見を共有することはできません。

 

論理思考によって自分の意見を体系的にとらえることが、分かりやすい説明へとつながります。

 

<5.説得力>
 もちろん、相互理解のためには分かりやすく説明するだけでは不十分です。

 

利害関係が絡む場合にはとくにそうですが、話に説得力がなければなりません。
隙のない論理思考によって説得力を高めましょう。

 

<6.反論力>
 先程も言及しましたが、論理思考には反論への対策が欠かせません。

 

もちろん、それは自分の身を守るために行うのではなく、自分の意見を昇華させるために行います。
反論に対応できることは、それだけ洗練された論理が構築できているということです。

 

正しい論理展開で身につく6つの力

 

【論理性をチェックする】
 最後に、論理思考で構築した意見を確認するためのチェック事項を確認しておきましょう。
反論や質問への対策にもなりますので、ぜひ意見のブラッシュアップに活用して下さい。

 

<1.具体的な事例を提示しているか?>
 どんなに論理的な意見でも、机上の空論では活用することができません。
具体的な事例を提示しましょう。

 

<2.言葉の定義は明確か?>
 言葉の定義があいまいなままだと、誤解や勘違いが発生します。
注釈を入れるなどして言葉の定義を行いましょう。

 

<3.全体像を把握しているか?>
 枝葉末節にこだわりすぎて全体像を見失ってはいませんか?
木を見て森を見ずでは、本質から遠ざかってしまう可能性があります。

 

<4.「一般論」と「例外」をそれぞれ理解しているか?>
 世の中にあるのは一般的な事例ばかりではありません。
例外の存在を認識して、双方に対するケアを行いましょう。

 

<5.出直す準備はあるか?>
 論理の隙を見破られても感情的になってはいけません。
潔く出直すことによって、より良い意見が構築できることもあるのです。

 

【まとめ】
・論理的思考の基本は「結論」「根拠」「前提」

 

・論理展開には「演繹法」と「帰納法」の2つのパターンがある

 

・反論は必ずどこかに潜んでいる

 

・論理的思考を身に付ければ仕事力が上がる

 

 

前のページ 「論理展開のパターン その2」

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