ブランド戦略①(ブランドとは) その1
【ブランドとは】
製品やサービスを製作・販売し、顧客に購入してもらうことで企業活動を持続させている企業。
そのような企業の一般的な活動を支えているのは紛れもなく顧客ですが、そうした顧客に対する認知を高めるために、各社ともにさまざまな工夫をしています。
それこそテレビCMやWEB広告、販促キャンペーンなどを通じて、顧客と接点を積極的に増やしている企業も多いことでしょう。
ただ、そうした活動には必ず経費がかかります。
斬新な施策を打ち出すのは簡単ですが、それを実行に移すには相応の時間と労力と、そして経費がかかるのは言うまでもありません。
企業を成長させるためには、ある程度の投資は必要となりますが、企業の根本的な価値がその収益力にある以上、売上および収益の増大とともに、経費の削減を行わなければならないのは当然です。
そう考えると、新しいキャンペーンや販促活動は常に痛みをともなうことになります。
確実に成功するという保証もなく人員や経費を投下するのは、それなりの覚悟がなければできません。
できることなら、通常の業務と関連しつつ実践できれば一番ですが、プロジェクトが大きければ大きいほど支出する企業資産も増えてしまいます。
人員を割かなければならない場合、それだけ他の業務にも支障がでてしまうのです。
そこで、企業独自の価値を構築するために、あるいは顧客に差別化されたオリジナルの価値を認識してもらうために利用されるのが「ブランド」です。
一般的にはブランドネームやロゴマークがその企業のブランドを象徴していますが、それ以外にもブランドを想起させるものには次のようなものがあります。
・キャラクター
・スローガン
・ジングル
・パッケージング
ブランドネームとは、企業名や製品名から独自の価値を連想させるために活用する名前のことです。
同じ企業の商品でも、独自のシリーズでネーミングを変えるなどの工夫をしている例は枚挙にいとまがありません。
たとえば、いわゆるプライベートブランドであるイオンの「トップバリュシリーズ」や、セブンアイホールディングスの「セブンプレミアム」などはその一例でしょう。
また最近では、キャラクターの役割も大きく変わってきています。
かつては企業のシンボルとして、あるいはキャンペーンの一環としてのみ活用されていましたが、今ではキャラクターがメインとなって各メディアに取り上げられることも珍しくありません。
一世を風靡した「ゆるキャラ」の中には、すでにPRの枠をはみ出して独自に活動しているものもいます。
ロゴやシンボルマークに関しては、言語を介してのコミュニケーション手段ではないこともあり、言葉の壁を越えて周知してもらうために活用されています。
世界的に展開している「コカ・コーラ」や「マクドナルド」のロゴは、見ただけで判断できる人も多いことでしょう。
日本を代表する企業である「トヨタ」ブランドのロゴも、今では世界共通語となっています。
スローガンおよびジングルは、それぞれキャッチコピーや音楽によってブランド認知を高める手法です。
世界的に有名なスポーツブランド「ナイキ」のキャッチコピーである「JUST DO IT.」や「いつか遊びがモノをいう。」などは有名ですね。
また、「インテル」のCMでは、常に似たような音楽が採用されています。
その音を聞くだけで企業名を思い出してしまうこともあるでしょう。
最後にパッケージングですが、これは提供している製品の容器や梱包をデザイン・制作する活動のことを指します。
世界でコーヒーチェーンを展開している「スターバックス」は、容器や梱包のデザインを工夫し統一することで、顧客自らに宣伝効果をもたらしています。
町中でスターバックスのカップを持った人を見かけて、そこにオシャレさや憧れを感じるようであれば、企業の狙いは達成できていると言えるでしょう。
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