経営を学ぶ-経営学・MBA・起業・ネットビジネス・リアルビジネスなど

経営を学ぶ~経営学・MBA・起業~

ソリューションの価値と価格への転換 その1

【ビジネスマーケティングにおける“ソリューション”の重要性とは】
BtoBの事業を展開するうえでもっとも恐れるべきなのが、企業の「下請け」となってしまうことです。

 

仕事があることは良いことなのですが、業績の高低を他の企業に依存してしまうと、そこから脱却することが難しくなります。

 

加えて、景気の波に左右されやすくなり、取引先の業績がそのまま自社に影響することになります。

 

それでは、右肩上がりの成長を続けることはできないでしょう。

 

そればかりか、競合他社と比較されて価格競争に巻き込まれてしまう可能性もあります。

 

そうなれば、体力のない企業は太刀打ちできません。

 

いくら長年の付き合いがあるからとは言っても、他の企業も生き残りをかけていることに変わりはありません。

 

高いところを使い続ける意味はないのです。

 

そこで、考えるべきなのが「ソリューション」です。

 

ソリューションとは直訳すると解決策となりますが、つまり、製品だけに注目するのではなく、いかに相手の企業が抱えている問題を解決できるかということです。

 

ソリューションを提供できれば、それが相手にとっての大きな付加価値となり、製品や価格で勝負する必要がなくなります。

 

ソリューションの価値と価格への転換

 

もちろん、自社の製品の価値を高めることは大切ですが、いくら優良な製品を作っても、それだけで勝負するのは危険です。

 

マーケティングも駆使しなければなりませんし、ソリューションという付加価値がなければ、積極的に選ばれることはないでしょう。

 

競争力が減退すれば、価格を下げざるを得なくなってしまいます。

 

また、差別化の観点からもソリューションを重視する必要があります。

 

似たような製品が多数存在している市場においては、コモディティ化している製品だけで競争力を高めることはできません。

 

たとえ付属品を付加したとしても、結果的に収益を圧迫してしまえば意味がありませんし、選ばれるかどうかも未知数です。

 

だからこそ、ビジネスマーケティングにおいてはソリューションを意識しなければなりません。

 

とくに、現場の営業パーソンだけでなく、その上司や管理職の方、ひいては会社全体の人間が顧客のニーズを把握しておくことが大切です。

 

そのための仕組みづくりや環境整備を進めることで、情報が流通するようにしておかなければならないのです。

 

ソリューションを提供しはじめた当初は、場合によっては収益率が下がることもあるかもしれません。

 

顧客の要望に応えるのですから、ある意味当然と言えるでしょう。

 

しかし、その時に大切なのは、顧客の企業価値を向上させているかどうかです。

 

ただ要望を聞くのではなく、相手にとって長期的な利益を与えられるかどうかがポイントとなります。

 

場合によっては、収益率を低下させるだけで、十分なソリューションを提供できていないということもあるでしょう。

 

そうした場合には、方向を転換させ、マーケティングの基本、すなわち市場化に立ち返るべきです。

 

製品の性能や価格、そしてソリューションを最適化し、お互いにwin-winの関係性を構築できるようにしましょう。

 

ソリューションの価値と価格への転換

 

 

【例題】
それでは、例題をとおして、ビジネスマーケティングにおけるソリューションについて学んでいきましょう。

 

後半でもお話しますが、提供するソリューションは、最終的に価格へと転換させなければなりません。

 

全体の価格を高めることで、収益率を上げるのですね。

 

そのためのステップやタイミングについても考えつつ、読み進めてみてください。

 

 

次のページ 「ソリューションの価値と価格への転換 その2」

関連ページ

グローバルマーケティングにおける企業の条件 その2
コミュニケーション(プロモーション)戦略③(プッシュ戦略とプル戦略) その2
コミュニケーション(プロモーション)戦略③(プッシュ戦略とプル戦略) その1
価格戦略④(新製品の価格設定) その2
製品戦略⑤(プロダクトエクステンション) その2
セグメンテーション その1
セグメンテーション その2
標的市場の選定 その1
標的市場の選定 その2
標的市場の選定 その3
ソリューションの価値と価格への転換 その1
ソリューションの価値と価格への転換 その2
ソリューションの価値と価格への転換 その3
マーケティング戦略策定プロセス その1
マーケティング戦略策定プロセス その2
マーケティング戦略策定プロセス その3
ターゲティング その1
ターゲティング その2
ターゲティング その3
マーケティングとは その1
マーケティングとは その2
ブランド戦略①(ブランドとは) その1
ブランド戦略①(ブランドとは) その2
ブランド戦略①(ブランドとは) その3
ブランド戦略②(ブランド・エクイティ) その1
ブランド戦略②(ブランド・エクイティ) その2
ブランド戦略②(ブランド・エクイティ) その3
ブランド戦略③(ブランドの構築と展開) その1
ブランド戦略③(ブランドの構築と展開) その2
ブランド戦略③(ブランドの構築と展開) その3
ブランド戦略④(ブランドの拡張と浸透) その1
ブランド戦略④(ブランドの拡張と浸透) その2
ブランド戦略④(ブランドの拡張と浸透) その3
ブランド戦略⑤(コーポレート・ブランディング) その1
ブランド戦略⑤(コーポレート・ブランディング) その2
ブランド戦略⑤(コーポレート・ブランディング) その3
ビジネスマーケティング(生産財マーケティング) その1
ビジネスマーケティング(生産財マーケティング) その2
ビジネスマーケティング(生産財マーケティング) その3
ビジネスマーケティングと俯瞰思考 その1
ビジネスマーケティングと俯瞰思考 その2
ビジネスマーケティングと俯瞰思考 その3
マーケティング課題の特定 その1
マーケティング課題の特定 その2
コミュニケーション(プロモーション)戦略①(コミュニケーションの役割) その1
コミュニケーション(プロモーション)戦略①(コミュニケーションの役割) その2
コミュニケーション(プロモーション)戦略②(コミュニケーション手法) その1
コミュニケーション(プロモーション)戦略②(コミュニケーション手法) その2
コミュニケーション(プロモーション)戦略②(コミュニケーション手法) その3
コミュニケーション(プロモーション)戦略④(メディアの種類) その1
コミュニケーション(プロモーション)戦略④(メディアの種類) その2
コミュニケーション(プロモーション)戦略⑤(コミュニケーション戦略立案プロセス) その1
コミュニケーション(プロモーション)戦略⑤(コミュニケーション戦略立案プロセス) その2
コミュニケーション(プロモーション)戦略⑤(コミュニケーション戦略立案プロセス) その3
コミュニケーション(プロモーション)戦略⑥(AIDMA・AISAS・AISCEAS理論) その1
コミュニケーション(プロモーション)戦略⑥(AIDMA・AISAS・AISCEAS理論) その2
コミュニケーション(プロモーション)戦略⑦(レピュテーション・マネジメント) その1
コミュニケーション(プロモーション)戦略⑦(レピュテーション・マネジメント) その2
競争戦略①(競争戦略とは) その1
競争戦略①(競争戦略とは) その2
競争戦略②(リーダー企業の戦略) その1
競争戦略②(リーダー企業の戦略) その2
競争戦略②(リーダー企業の戦略) その3
競争戦略③(後続企業の戦略) その1
競争戦略③(後続企業の戦略) その2
競争戦略③(後続企業の戦略) その3
企業におけるマーケティング その1
企業におけるマーケティング その2
カスタマーリレーションシップマネジメント(CRM) その1
カスタマーリレーションシップマネジメント(CRM) その2
カスタマーリレーションシップマネジメント(CRM) その3
カスタマー・リレーションシップ・マネジメント(CRM)の実施と導入ポイント その1
カスタマー・リレーションシップ・マネジメント(CRM)の実施と導入ポイント その2
流通戦略①(流通チャネルとは) その1
流通戦略①(流通チャネルとは) その2
流通戦略②(流通チャネルの種類) その1
流通戦略②(流通チャネルの種類) その2
流通戦略②(流通チャネルの種類) その3
流通戦略③(流通チャネル構築プロセス) その1
流通戦略③(流通チャネル構築プロセス) その2
流通戦略③(流通チャネル構築プロセス) その3
流通戦略④(チャネル変更とハイブリッド・チャネル) その1
流通戦略④(チャネル変更とハイブリッド・チャネル) その2
環境分析のフレームワーク その1
環境分析のフレームワーク その2
環境分析のフレームワーク その3
環境分析 その1
環境分析 その2
グローバルマーケティング その1
グローバルマーケティング その2
グローバルマーケティング その3
グローバルマーケティングにおける企業の条件 その1
グローバルマーケティングのプロセスと注意点 その1
グローバルマーケティングのプロセスと注意点 その2
マーケティングミックス(4P分析) その1
マーケティングミックス(4P分析) その2
マーケティングリサーチ①(意義と役割) その1
マーケティングリサーチ①(意義と役割) その2
マーケティングリサーチ②(必要な情報) その1
マーケティングリサーチ②(必要な情報) その2
マーケティングリサーチ②(必要な情報) その3
マーケティングリサーチ③(手法とプロセス) その1
マーケティングリサーチ③(手法とプロセス) その2
マーケティングリサーチ③(手法とプロセス) その3
マーケティングリサーチ④(注意点) その1
マーケティングリサーチ④(注意点) その2
ポジショニング その1
ポジショニング その2
ポジショニング その3
価格戦略①(製造コストとカスタマー・バリュー) その1
価格戦略①(製造コストとカスタマー・バリュー) その2
価格戦略②(価格設定の影響要因) その1
価格戦略②(価格設定の影響要因) その2
価格戦略③(価格設定手法) その1
価格戦略③(価格設定手法) その2
価格戦略③(価格設定手法) その3
価格戦略④(新製品の価格設定) その1
価格戦略⑤(心理的価格設定、価格調整法、値下げ) その1
価格戦略⑤(心理的価格設定、価格調整法、値下げ) その2
製品戦略①(製品とは) その1
製品戦略①(製品とは) その2
製品戦略②(新製品開発プロセス) その1
製品戦略②(新製品開発プロセス) その2
製品戦略③(製品ライン設計、PPM、製品陳腐化政策) その1
製品戦略③(製品ライン設計、PPM、製品陳腐化政策) その2
製品戦略③(製品ライン設計、PPM、製品陳腐化政策) その3
製品戦略④(製品ライフサイクル) その1
製品戦略④(製品ライフサイクル) その2
製品戦略⑤(プロダクトエクステンション) その1

HOME
HOME メルマガ登録 プロフィール お問い合わせ