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競争戦略②(リーダー企業の戦略) その1

【市場におけるリーダーとは】
競争戦略を考える際に重要なのは、市場あるいは業界全体を俯瞰して、どのような分類ができるのかという発想です。

 

それぞれの企業を分類し、自社や競合他社のポジションを把握することができれば、もっとも最適な戦略を構築することができるようになります。

 

そうした分類なしには、競争戦略を模索することはできません。

 

市場における競争状況について大きく分類すると、業界トップの「リーダー企業」とそれ以外の「後続企業」に分けることができます。

 

トップ争いが熾烈な業界もあれば、トップが明確な業界もありますが、いずれにしてもトップは1社のみ。

 

それ以外はすべて後続企業に分類できますので、分け方としては非常に明快と言えるでしょう。

 

その中でも今回は、トップ企業の競争戦略について解説していきます。

 

当然のことではありますが、どの業界においてもトップ企業以外の後続企業が圧倒的に多数を占めています。

 

しかし、必ずしも自身がトップ企業に属していなくても、トップ企業がどのような戦略を採用しているかを知ることによって、その他の後続企業に属している方が戦略を構築する場合にも役に立つのです。

 

むしろそれを知っていなければ、後続企業の戦略構築はできません。

 

また、現在は後続企業に甘んじているかもしれませんが、近い将来トップ企業の座を狙える地位につけている企業もあることでしょう。

 

そうした企業の場合には、トップになった瞬間から徐々に戦略を移行していかなければなりません。

 

いつまでも後続企業の時代と同じ戦略で事業を遂行していると、瞬く間に、王者から陥落してしまう可能性もあるのです。

 

そもそも、トップ企業にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

 

まず、高いシェアを保持することによって規模の経済が働き、収益性が高まるというメリットがあります。

 

製造業で考えてみるとわかりやすいのですが、規模が大きくなることによってコストが下がり、収益力・競争力がともに高まるのです。

 

また、顧客からの認知度という点においても、トップ企業は有利です。

 

「業界トップ企業」という言葉だけでも購買には大きく影響しますし、実際に購入を検討している顧客以外の人からも、幅広く世間にその名を知られるというメリットがあります。

 

業界トップということが、そのままブランド形成につながるのですね。

 

さらに、業界内に存在する関連企業との関係性においても、有利な立場から交渉を行うことができます。

 

自ら関係性を構築しなくても、トップ企業というだけで流通業者などが集まってきますので、コネクションを形成しつつ地盤を強化することが可能となります。

 

業界におけるデファクトスタンダードになれれば、さらに地位は補完されます。

 

競争戦略(リーダー企業の戦略)

 

 

では、トップ企業がとるべき戦略には、どのようなものがあるのでしょうか。

 

トップ企業の競争戦略は、おおむね次の3つに集約されます。

 

・市場規模の拡大
・シェアの拡大
・シェアの維持

 

競争戦略(リーダー企業の戦略)

 

 

詳しい解説は後述しますが、ここでは3つの戦略について簡単にご紹介しましょう。

 

いずれも企業が目標とする収益の最大化に対して直接的にアプローチする手法です。

 

つまり、どの企業においても行うべき基本の施策ということには変わりありません。

 

ただ、リーダー企業だからこそ基本に忠実な戦略をとるべきということを頭に入れておきましょう。

 

まず「市場規模の拡大」ですが、これは業界をリードするトップ企業が率先して行わなければならない施策です。

 

なぜなら、市場規模が拡大することによってもっとも多くの恩恵を得られるのは、つねにトップ企業だからですね。

 

もちろん、その他の後続企業にもメリットはありますが、シェアのうえで有利なトップ企業には及ばないのが実情です。

 

次に「シェアの拡大」ですが、こちらは市場内において影響力を高めるために行うものです。

 

競合他社である後続企業からそのシェアを奪うことになりますが、それなりの経営資源を投下しなければならないという事情もあり、そう簡単にはシェアを奪えません。

 

また、シェアを拡大することによって、事業全体の方向性が不明確になってしまうという危険性もあります。

 

最後は「シェアの維持」です。

 

いたずらにシェアを拡大し続けていると、それだけ体力を奪われることになります。

 

いくらトップ企業だからとは言っても、すべての後続企業に攻勢を強められたら、立場的に危うくなることもあるでしょう。

 

だからこそ、今のシェアを維持するための施策が必要となります。

 

拡大だけがすべてではないのです。

 

 

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