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コミュニケーション(プロモーション)戦略⑥(AIDMA・AISAS・AISCEAS理論) その1

【顧客の心理変化】
コミュニケーション戦略を実行する際には、その手法や利用するメディアだけでなく、「ターゲット顧客の心理」を理解しておかなければなりません。

 

とくに、「顧客の心理がどのように変化するのか」や、「ターゲット顧客の多くがどういった心理フェーズにいるのか」を把握することによって、より最適なコミュニケーション手法を選択できるようになります

 

ただ、ターゲット顧客に関わらず、人の心理を把握するのはそう簡単なことではありません。

 

家族や友人・知人、あるいは長年連れ添った伴侶でも、相手の心理状態を完璧に分析することはできないのです。

 

そう考えると、不特定多数の顧客の心理を理解することがどれほど難しいのかお分かりいただけることでしょう。

 

そこで活用したいのが「消費者購買行動モデル」です。

 

消費者購買行動モデルとは、購買行動に関する消費者の心理変化を一般化したものです。

 

すべての人に確実に当てはまるとは限りませんが、不特定多数の消費者というまさに群集の心理を理解するのにはとても役立つモデルと言えるでしょう。

 

代表的なものは次のとおりです。

 

・AIDMA(アイドマ)
・AISAS(アイサス)
・AISCEAS(アイシーズ)

 

消費者購買行動モデルが複数ある背景には、時代の変化、つまりさまざまな技術革新によって顧客の購買方法が変化しているという実態があります。

 

たとえば、かつては対面での売買が基本だったのが、今ではインターネットでの売買があたり前のように行われています。

 

また、パソコンという媒体からタブレット端末やスマートフォンへと移行しているという現状もあります。

 

このように購買方法が変化すると、消費者の心理が変化する段階についても違いが生じます。

 

その結果、顧客の心理状態を把握することが難しくなり、消費者購買行動モデルのような一般化された指標に頼らざるを得ないのです。

 

もちろん完璧なものではありませんが、一般的な心理変化の流れを理解しておくことが大切でしょう。

 

ご紹介した3つのモデルの詳しい解説は後述するとして、まずは事例でイメージを深めてみてください。

 

 

【例題】
それでは、例題をとおして顧客の心理変化についての理解を深めていきましょう。

 

コミュニケーション戦略の目的は最終的な製品の購買にありますが、そこに至るまでにはさまざまな道のりがあります。

 

そしてその多くは、顧客の内面で発生している心理が関わっており、だからこそ一般化された消費者購買モデルなどで、顧客の心理を知ることが大切なのです。

 

<例>
ビジネス向けにサービスを展開しているITベンチャー企業のA社は、これまでさまざまな企業に対して自社のシステムを提供してきました。

 

少数精鋭で会社を運営していることもあり、小回りの良さと固定費の少なさを武器に少しずつ成長してきました。

 

最近ではでは新オフィスへと移転するなど、その勢いを増しています。

 

そんなA社の代表取締役であるEさんは、さらに収益力を高めるため、一般顧客向けに製品を提供することを模索しています。

 

すでにビジネス向けサービスの廉価版としての立ち位置で開発は進んでおり、いつでも販売を開始できる状態にまでこぎつけています。

 

販売先となる量販店やECサービスとの提携なども順調に進んでいます。

 

ただ、マーケティング戦略を考えるうえで、あるハードルに直面しました。

 

それは、ターゲットとなる顧客とどのようにコミュニケーションを行えばいいのか、というものでした。

 

販売方法や場所については決まっているものの、顧客の認知度や製品の有用性が認知されていなければ、実際に購買には至らないでしょう。

 

そこでE社長が持ち出してきたのが「消費者購買モデル」です。

 

これはかつて、E社長がビジネススクールで習ったものでしたが、事業を開始した当初はA社の事業がBtoBビジネスということもあり、実際には活用できていなかったのです。

 

BtoBからBtoCのビジネスに挑戦する今、改めて利用してみることにしました。

 

なかでも、量販店での一般販売には「AIDMA」を、ECサイトでの販売には「AISAS」を活用することにしました。

 

いずれにしても、まずは認知度を高めることに主眼を置き、随時それぞれの成長フェーズにあわせてコミュニケーション戦略を構築していきます。

 

もともとA社はECサービスに関するノウハウが豊富なので、そうした背景も考慮しながら進めていきました。

 

その結果、短期間で消費者との関係性を良好なものとすることができました。

 

BtoBからBtoCへの移行という挑戦的な試みではありましたが、いまではA社の主力事業としてさらなる成長が見込まれています。

 

また、消費者購買モデルに関しては、つねに実態を反映するよう、変更を加えつつ活用することとなりました。

 

 

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