グローバルマーケティング その3
【グローバル・マーケティングの実践を迫られる日本企業】
グローバル社会の進展については、私たちの生活が大きく変化していることからも明らかです。
ただ、そうした背景がありつつも、これから先、なぜグローバル・マーケティングが強く求められるのでしょうか。
その理由は、大きく次の2点が挙げられます。
1.日本の文化を世界に伝えていくことの必要性
2.外国企業の日本への進出
それぞれ、具体的にご説明いたしましょう。
<1.日本の文化を世界に伝えていくことの必要性>
日本は島国ということもあり、大陸と比較して古来より海外との交流があまり盛んではありませんでした。
江戸時代には200年以上鎖国しており、海外との交流が再開されたのは近代に入ってからです。
最近では、周辺諸国との関係性についても懸念されることもあり、島国特有の問題を抱えていることも事実です。
それは、政治的な問題だけにとどまらず、ビジネスにおいても少なからず影響を及ぼします。
たとえば、特定の国では日本製品だから購入されたり、反対に日本製品だから購入されないという事態がおこっています。
これは、製品そのものではなく、日本という国に対して固有の印象を持っていることが原因ですね。
こうした状態では、どれほど優れた製品を開発しても、サービスを提供しても、マーケティングが生かされることはありません。
このような背景を考えると、より広く日本製品を世界に普及させることは急務です。
近隣諸国だけでなく、遠くの国までも日本の製品、および文化を広めていくこと。
それが、企業のひとつの役割となっているのです。
日本の人口が減少していくのが確実な情勢ということに加えて、グローバル・マーケティングは企業にとって欠かせないものとなっています。
<2.外国企業の日本への進出>
もうひとつの理由として、外国企業の日本進出という点が挙げられます。
普段の生活から考えてみても、日本に進出している外国企業の製品やサービスを利用していることはとても多いかと思います。
同じような製品やサービスを提供している日本企業があるにもかかわらず、外国企業は選ばれているのです。
これは、ビジネスを行っているあらゆる日本企業において、危機的な状況だと言わざるを得ません。
いくら日本のマーケットにおいて盤石な地位を築いていたとしても、これから先、世界中の企業が日本に進出してこれば、そのシェアが大きく奪われてしまうこともあり得るのです。
法律や制度で保護されている事業についても、将来的には分かりません。
そういった外国企業に打ち勝つためには、積極的に海外に進出しなければなりません。
現地の企業から学び、顧客から学び、そして幅広い視野をもって事業を展開することが、これからのビジネスでは欠かせないのです。
日本でシェアを奪い合うことも大切ですが、より競争力を高めていくためには、グローバル・マーケティングの視点から事業を行う必要があると言えるでしょう。
【まとめ】
・グローバル社会の到来によって、世界規模で事業を展開することが当たり前になった
・これからは、世界をひとつの市場としてとらえる「グローバル・マーケティング」の考え方が欠かせない
・グローバル・マーケティングにおいては、多国籍企業とは異なり、世界で共通するニーズを探りつつ、自社の強みを打ち出すことが必要となる
・グローバル・マーケティングが求められる背景には、次の2つの要因がある
1.日本の文化を世界に伝えていくことの必要性
2.外国企業の日本への進出
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