コミュニケーション(プロモーション)戦略⑤(コミュニケーション戦略立案プロセス) その1
【コミュニケーション戦略の実行】
いくら顧客心理を学んでも、メディアの役割について理解を深めても、実際に企業側からの働きかけがなければ、一般消費者に対してアプローチすることはできません。
マーケティングそのものの勘所でもありますが、企業は学びだけでなく、実行を通して社会にインパクトを与えなくてはならないのです。
そのために必要なのが具体的なプロセスです。
具体的なプロセスとはつまり、顧客とのコミュニケーションを行う一連の流れのこと。
さらに、その手法についての詳細を決めるために、コミュニケーション戦略全体の立案もあわせて行いましょう。
各種のメディアやチャネルを活用して顧客とコミュニケーションを行うためには、戦略立案が欠かせません。
一般的なコミュニケーション戦略の立案ステップは次のようになります。
?コミュニケーション・ポリシーと目標、予算の設定
?コミュニケーション・ミックスとメディア・ミックスの決定
?具体的なコミュニケーション内容の決定
?コミュニケーションの実施と効果のモニタリング
詳しい解説は後述するとして、ここではそれぞれのステップの概要について簡単にふれておきます。
最初のステップは「コミュニケーション・ポリシーと目標、予算の設定」です。
ここでは、コミュニケーション戦略全体の基本方針を決めつつ、最終的な目標やそのために使える予算の設定を行います。
製品の特性や企業独自の強みなどをしっかりと把握し、より最適なコミュニケーション戦略を立案できるように考慮しなければなりません。
コミュニケーション・ポリシーや目標、および予算が設定できたら、次に「コミュニケーション・ミックスとメディア・ミックスの決定」を行います。
基本的には、どのようなコミュニケーション手法を活用するのか、あるいはそのために必要なメディアは何かといったことをより具体的に検討していきます。
コミュニケーション・ミックスとメディア・ミックスが決まったら、「具体的なコミュニケーションの内容の決定」を行います。
「メッセージ」「デザイン」「広告出稿の頻度」など、コミュニケーション戦略を実行する際に必要となる詳細部分を決めることで、それぞれの役割についても明確になっていきます。
そして最後に「コミュニケーションの実施と効果のモニタリング」です。
コミュニケーション戦略に関わらず、すべての戦略は実行後の効果測定が欠かせません。
近年ではインターネットを活用した広告がとても増えてきていますが、このインターネット広告の特長であり重要な機能の一つが適切な効果測定が行えるということです。
今後はさらにこういったネットを活用したコミュニケーションが増えていくことが予測できますので、効果測定を念頭に置いたコミュニケーション戦略を立案することが重要です。
たとえ計画どおりに戦略が実行できてもそこで満足せず、より効果的な手法へと移行できないか模索することも大切でしょう。
戦略は継続してこそ意味があります。
【例題】
それでは、例題をとおしてコミュニケーション戦略の立案ステップについてより深く学んでいきましょう。
初期段階では4つのステップを丁寧に実行していくべきですが、慣れてきたら立案プロセスそのものに変更を加えても良いでしょう。
より短時間で精度の高い意思決定を可能にするためには、組織ごとにオリジナリティを持たせる必要があります。
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