グローバルマーケティングにおける企業の条件 その1
【マーケティングをグローバル化させるためのステップ】
マーケティングを実践していくにあたって、国内だけに目を向けていたのでは、いずれ限界をむかえてしまうことになります。
日本全体を見渡してもらうと分かるとおり、市場には限りがあります。
その中で、さらなる成長を目指していくとなると、いつか飽和状態に陥ってしまうことは想像に難くないことでしょう。
しかし、企業は成長していかなければなりません。
たとえ現在は業績が好調だったとしても、ビジネスを持続していくためには、新しいことにチャレンジしながら企業そのものをあらゆる環境に対応できるようにしなければならないのです。
さもなければ、変わりゆく時代に適応することはできないでしょう。
そもそもビジネスは、反復継続できなければ意味がありません。
一過性のブームにしがみついていては、企業を存続させていくことはできないのです。
かつてのように、いい商品を作ればその場から売れていくような社会ではありません。
だからこそ、マーケティングの発想が必要なのですし、市場も顧客も理解しなければならないのです。
それと同じことが、日本全体のマーケットで起ころうとしています。
つまり、日本全体が右肩上がりの成長をし続けてきた大きな流れが終わり、生き残りをかけて熾烈な競争をしなければならない時代がこようとしています。
小さな商店ひとつとってみても、大型スーパーやショッピングモールにその地位を脅かされいるのが現状です。
もっとも立場的に危機感を抱くべきなのは、日本の企業数の9割以上を占める中小企業です。
市場が限られている中で、それでも右肩成長を続けていかなければ各種のステークホルダーを説得できない状況では、日本のマーケットだけを意識していては限界があります。
広く世界を見渡して、グローバルに展開していかなければなりません。
とくに近年では、グローバルへの意識は、より早い段階から行われています。
場合によっては、創業と同時に海外に支店を置く企業もあり、将来的な可能性を見越してあらかじめその可能性を広げているのですね。
国内ですでにビジネスを行っている企業も同様に、海外への展開を自分のこととして考えなければなりません。
では、具体的にどのような方法を取り得るのか。
それがグローバル・マーケティングのの考え方です。
グローバル・マーケティングとは、世界をひとつのマーケットとして考えた時に、自社の製品や強みをそのまま発揮して事業を展開していくための戦略を構築するという発想がもとになっています。
原点は世界というひとつのマーケットです。
もちろん、すべての企業がグローバル・マーケティングを実践する必要があるわけではありません。
将来的には必要ということもありますが、現段階ではどう考えても不必要、あるいはフェーズではないということもあるでしょう。
そうした見極めは経営判断として重要です。
たとえば、グローバル・マーケティングの段階には次のようなステップがあります。
まず最初に「国内マーケティング」です。
日本国内でマーケティングを実践することで、収益力を高めます。
次に、海外へと輸送する「輸送マーケティング」です。
インターネットの普及によって、輸出はより身近になりました。
そして、海外拠点をともなう「海外マーケティング」や「多国籍企業化」へとステップは進みます。
これらのステップを経た後に、いよいよグローバル・マーケティングが生きてきます。
海外のことを十分に理解しつつ、その特性を加味しながら、あらためて世界をひとつのマーケットとしてとらえてみること。
そうした視点で取り組むマーケティングは、人間心理を反映させた奥深いものになるのです。
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