流通戦略①(流通チャネルとは) その1
【流通チャネルとは】
企業が作った製品は最終的に市場に投入され顧客のもとに届けられます。
そこで顧客が対価を支払うことによってはじめて売り上げとなり、その売り上げからコストや経費を差し引いたものが企業の収益となります。
この収益が企業活動を根本から支えていることはご存知のとおりですね。
収益をあげて成長を続けることによって、企業は存続することを許されているのです。
そこで考慮しなければならないのが「流通チャネル」です。
流通チャネルとは、企業の製品を顧客のもとへ届ける役割を担う流通業者全般のことを指します。
製造企業がもつ独自の販売網やサービス機関などの内部機関に加え、販売代理店や卸売業者、ディーラーや小売業者などの外部機関など、その種類は多岐にわたります。
流通チャネルが担う“流通”という言葉には、次の3つの意味があるとされています。
・商的流通
・物的流通
・情報流通
「商的流通」とは、いわゆる物の「所有権」が移動する流れのことです。
一般的な商取引における基本的な作用ですね。
「物的流通」とは、製品という「モノ」そのものが移動する流れのことです。
いわゆるモノの流通そのものですね。
最後の「情報流通」とは、情報が移動する流れのことを言います。
情報社会においては重要な役割と言えるでしょう。
それぞれの流通は別個に機能しているわけではなく、大きなマーケット活動の中で一貫して行われています。
商的流通は製造メーカーから卸売業者、そして小売業者へ移動していますし、モノも同様に流れています。
また、情報の流通も相互に行われており、次回以降の企業活動を支えるデータとして厳密に取り扱われています。
流通チャネルは企業活動を円滑に行うためだけに存在しているわけではありません。
消費者にとっても流通業者が介在することで取引全体が合理化されるというメリットがあります。
具体的には、流通チャネルがなければ、消費者はわざわざ製品を製造メーカーに注文しなければなりませんが、スーパーや商店などの小売業者がいるおかげでそうした手間が省けるのです。
それだけでなく、消費者は数多くの商品から好きな物を選択することができるようになり、企業はより顧客の需要に沿った商品を開発しなければならなくなります。
結果として、私たちの生活がより豊かな方向に向かっていくことは間違いないでしょう。
流通チャネルの存在は、製造メーカーにとっても顧客にとっても経済合理性を高めていると言えるのです。
それこそまさに、流通チャネルの意義そのものですね。
現在では、インターネットの普及のおかげで自宅の近所にスーパーやコンビニ、ショッピングモールなどの小売店がなくても、たいていのものはネット通販で購入することができるようになりました。
まさに流通革命と言っていいでしょう。
しかし、消費者にとっては商品の購入手段の選択肢が増えたというメリットがある一方、こういったイノベーションが多くの業界や企業にとって、流通チャネルの改革を迫られることになりました。
今後、マーケティングの中でも流通戦略はより重要な位置づけとなってくるでしょう。
【例題】
それでは、例題をとおして、流通チャネルについての理解を深めていきましょう。
流通チャネルをただの媒介者としてとらえるのではなく、市場においてどのような役割を担っているのか考えてみることが大切です。
そこでは、無味乾燥にモノが流れているというのではなく、流通チャネルの独自の役割があることに気がつくことでしょう。
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