マーケティングリサーチ③(手法とプロセス) その1
【マーケティング・リサーチのプロセス】
マーケティング・リサーチを行う際に必要な情報について理解したら、次はマーケティング・リサーチの具体的な「プロセス」について学習していきましょう。
たとえ方法論を理解していても、それを実際に行う過程を把握しておかなければ、個人はもちろんのこと、チーム全体でマーケティング・リサーチを前に進めることは難しいです。
そもそもマーケティング・リサーチは、企業活動の一環として行うものです。
そこには商品やサービスを販売するなど、利益に結びつくゴールがあるはずですし、マーケティングという活動の目的そのものが企業の存続や成長、顧客の創造にあることもまた事実。
だからこそ、目的設定からスタートする確固たるプロセスが存在しているのですね。
具体的なプロセスは次のとおりです。
?リサーチ目的の設定
?仮説の設定
?リサーチの設計と実施
?データ分析と仮説の検証
「?リサーチ目的の設定」とは、そのリサーチによってどのような結果を得たいのかという目的を明らかにすることです。
ただ闇雲に調査をするだけでは、公的機関が行う統計調査のような結果しか得られません。
それは、必ずしも商品開発やマーケティングに生かせるものとは限らないでしょう。
つまりは無駄が多くなってしまうのです。
そうならないためには、「何のためにリサーチをするのか?」ということを、あらかじめ煮詰めておくことです。
もちろん「誰が」「どのように」「いつまでに」「予算規模は」などについても検討しておくことが大切です。
そのようにマーケティング・リサーチの目的を設定しておかないと、リサーチ活動にも一貫性を保てないでしょう。
次に「?仮説の設定」です。
マーケティング・リサーチの目的を設定することは大切ですが、目的だけではリサーチをスタートさせることはできません。
なぜなら、くり返しになりますが、マーケティング・リサーチは企業活動の一環だからです。
もしそこに無駄があるのなら、あらかじめ排除しなければなりません。
仮説を構築せずにマーケティング・リサーチを行うとどうなるでしょうか。
きっと、不必要なデータまで数多く収集しなければならなくなるはずです。
目的を決めて、さらに仮説によって「アタリ」をつけておくことにで、リサーチするべき対象が絞られ、より無駄がなくなるのですね。
コスト感覚の乏しいリサーチはマーケティング・リサーチではご法度です。
仮説を構築したら、次は「?リサーチの設計と実施」です。
当初の目的で決めたような「誰に」「何を」「どのような方法で」「どのくらい」などを、より具体的に煮詰めていきます。
実際には次のような項目を定めていきます。
・サンプルの設定
・質問の設計
・リサーチ手法の選択
それぞれの詳細な内容については後述しますが、リサーチ対象者を決めて、どのような質問をするのかを考案し、そして具体的な手法にまで落としこむ。
そのような過程を経てはじめて、マーケティング・リサーチを実践できるようになります。
目的や仮説をかたちにすることで、リサーチのやり方も共有できるようになります。
そして最後は「?データ分析と仮説の検証」です。
データを収集しただけではマーケティング・リサーチは終わりません。
仮説とすり合わせてどの程度正しいか。
あるいは、異なっているのなら何が原因として考えられるのか。
そうしたことを検証しながら、マーケティング・リサーチのレポートをまとめていきます。
マーケティング・リサーチで得られたものは、上層部や各部署にプレゼンテーションすることが多いでしょう。
そうした場合には、内容の整合性はもちろんのこと、正しく伝える技術についても身につけておかなければなりません。
誰が説明しても問題ないように、よりわかりやすくまとめるようにしましょう。
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