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ブランド戦略①(ブランドとは) その3

【ブランド構築の意義】
それでは最後に、ブランド構築の意義について簡単におさらいしておきましょう。

 

ブランドの構成要素」「ブランドの役割」「ブランド・マネジメント」の3つの視点から考えていきます。

 

<ブランドの構成要素>
前述のとおり、ブランドはネーミングやロゴ、あるいはキャラクターやキャッチコピーなど、さまざまなシンボルによって顧客に認識されていますが、その他にも、ブランドの構成要素としてさらに細かく分類することができます。

 

たとえば、ブランドを構成している要素には次のようなものがあります。

 

・属性
・便益
・価値観
・文化、歴史
・個性
・ユーザー

 

「属性」とは、高い技術力や耐久性など、ブランドを連想させる製品や製品と直接関係のない部分での特徴です。

 

「便益」とはステータスとしての優越感や生活上の不便が解消されるなどですね。

 

また、「価値観」や「文化、歴史」については、日本製だから安心ということや、老舗企業だから品質にもこだわりがあるなどが挙げられます。

 

ブランドの「個性」としては、イメージ上の差別化ポイントと言ってもいいのですが、高級車であれば高級車の中でも代名詞的存在であったり、パソコンであればクリエイティブ系の人に絶大な指示を得ているものなどがあります。

 

最後の「ユーザー」は、とくにエグゼクティブを対象としているものや、あるいは中流家庭向けでもちょっと贅沢をしたいときに選ばれるものなどさまざまです。

 

ブランド戦略(ブランドとは)

 

 

<ブランドの役割>
次にブランドの役割についてですが、これには企業側と顧客側とで内容が異なります。

 

ブランドを利用する、あるいは生み出す側の企業からみたブランドの役割は、「競合との差別化」や「品質の良さを示すシグナルである」こと、その他にも「安定的な収益を生み出す基盤である」ことなどが挙げられます。

 

一方で顧客の側からみてみるとどうでしょうか。

 

「ブランドによる安心感」や「選択の際に判断基準となる」こと、あるいは「社会的な信頼を得られる」などが挙げられますね。

 

世間に広く認知されているブランドであれば、その製品を所持しているだけで他者からの評価が高まる、注目を集めるということもあります。

 

ブランド戦略(ブランドとは)

 

 

<ブランド・マネジメント>
これまでブランドの意義やその優位性についてご説明してきました。

 

ただ、ひと昔前と比べて現代では、ブランドによってもたらされる恩恵に変化があらわれています。

 

例えば、かつては絶対的なブランドはその地位を脅かされることは考えにくかったのですが、インターネットによる情報配信が盛んに行われている今、ブランドの地位が急激に落ち込んでしまうことは少なくありません。

 

たとえば、企業にとっては取るに足らない不祥事でも、インターネット上で拡散してしまえば顧客の心象はどのように変化するか分かりません。

 

場合によっては、そのブランドに対する不買運動なども起きる可能性があります。

 

そうなると、かつてのブランドの威光はほぼなくなってしまうと言っても過言ではないでしょう。

 

だからこそ企業側は、ブランドをしっかりとマネジメントしなければならないのです。

 

ブランド・マネジメントの対象は顧客だけではありません。

 

環境・地域・コンプライアンスを含めた社会全体に対して行うべきなのです。

 

そうした幅広い分野に対して積極的にコミュニケーションを行うことで、ブランドの地位が確固たるものとして維持されるのですね。

 

ブランド戦略(ブランドとは)

 

 

【まとめ】
・ブランドは企業独自の価値を認識してもらうためにある
・ブランドを構成するシンボルには次のような項目がある
 ・ブランドネーム
 ・ロゴマーク
 ・キャラクター
 ・スローガン
 ・ジングル
 ・パッケージング
・ブランドを正しく理解するためには、細かい構成要素の分類や、企業側、顧客側からの役割についても把握するべき
・これからは、コミュニケーションによってブランドをマネジメントしていかなければならない

 

 

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