経営を学ぶ-経営学・MBA・起業・ネットビジネス・リアルビジネスなど

ブランド戦略C(ブランドの拡張と浸透) その2

ブランド戦略C(ブランドの拡張と浸透) その2

【例題】
それでは、例題をとおして、ブランドの拡張についてより深く学んでいきましょう。

 

ブランドを拡張する際には、ただ収益をあげることだけを考えるのではなく、既存のブランドを活用していかに事業を拡大できるのかを念頭に置かなければなりません。

 

そのためにはまず、既存のブランドがどのような特性をもっているのかを知ることが大切です。

 

<例>
中小企業から大企業向けにWEBデザインを行っているA社は、ここ数年で大きく収益が悪化していました。

 

その原因には、時代の変化を含めたさまざまな要素が考えられていましたが、そのなかでも特に注目されているのがクラウドソーシングサービスの台頭です。

 

クラウドソーシングを利用することによって、企業がより安価にWEBデザインを発注できるようになったのです。

 

もちろんA社としても、そうした状況を指をくわえて見ていたわけではありません。

 

会社としてクラウドソーシングを利用することによって、より安価で高品質のサービスを提供できるように試行錯誤していました。

 

しかし、その努力もむなしく、WEBデザインそのものの単価の下落についていけず、現在のような危機的状況に陥ってしまったのです。

 

ただ、A社は幸いにも、キャラクター事業が好調でした。

 

社内にいるデザイナーが制作したさまざまなキャラクターが、幅広く活躍していたのです。

 

たとえば、流行しているLINEスタンプやその他のチャットサービスでも使える顔文字、あるいは地方のゆるキャラなど、その活動の幅は多岐にわたります。

 

しかも、どれも単体で収益力があるために、A社の業績を根っこから支えていたのです。

 

そこでA社の社長であるYさんは、それぞれのキャラクターをブランド化し、さらにはそのブランドを長期的に多角化することを計画しました。

 

ひとつひとつのブランドが着実に成長するかどうかは分かりませんが、それでもブランド育成に将来性を与えることによって、より効率的にキャラクターを運用できると考えたのです。

 

具体的には、これまでスマートフォン向けに活躍していたキャラクターに関しては、そのままの特徴を生かしつつ食品や日用品などのリアルの場面に。

 

反対に、ゆるキャラのように一般的に広まっているキャラクターに関してはWEB上での応用を目指すなど、顧客ターゲットやイメージを傷付けないように最低限の変革をしていきました。

 

その結果、キャラクターたちをより強力にブランド化でき、いくつかのキャラクターに関してはその知的財産がそのままA社の強力な収益源となりました。

 

かつてはデザインの業務を受注して発注するだけのデザイン事務所だったA社が、広告やマーケティング活動で経営を安定化させることに成功したのです。

 

 

<解説>
既存のブランドを正しく理解することによって、その先にある応用や将来的な活用法が見えてきます。

 

A社のようにキャラクターでなくとも、商品郡のブランド名やロゴ、あるいは事業部ごとのネーミングがそのまま他の事業に転用できることもあるのです。

 

例えば、人気お笑い芸人とんねるずの木梨憲武さんは「木梨サイクル」というブランド名で帽子やTシャツ、バッグなど、色々なグッズの販売を行っています。

 

しかし、「木梨サイクル」は元々、木梨憲武さんの実家の自転車屋さんの名前です。

 

自転車屋の名前(実際は自身のネームバリュー)をブランド化して、グッズ販売という異なる事業を行っているのです。

 

そして木梨サイクルのグッズは今では人気商品となっています。

 

もちろん、木梨憲武さんの知名度があってこそできるブランド戦略ではありますが、こういったブランド展開も可能であるということを覚えておきましょう。

 

企業はそのブランドのもたらす効果を予測しつつ、正しく運用することが求められるのです。

 

 

次のページ 「ブランド戦略C(ブランドの拡張と浸透) その3」

 

前のページ 「ブランド戦略C(ブランドの拡張と浸透) その1」

関連ページ

マーケティングとは その1
マーケティングとは その2
マーケティング戦略策定プロセス その1
マーケティング戦略策定プロセス その2
マーケティング戦略策定プロセス その3
企業におけるマーケティング その1
企業におけるマーケティング その2
環境分析 その1
環境分析 その2
環境分析のフレームワーク その1
環境分析のフレームワーク その2
環境分析のフレームワーク その3
マーケティング課題の特定 その1
マーケティング課題の特定 その2
標的市場の選定 その1
標的市場の選定 その2
標的市場の選定 その3
セグメンテーション その1
セグメンテーション その2
ターゲティング その1
ターゲティング その2
ターゲティング その3
ポジショニング その1
ポジショニング その2
ポジショニング その3
マーケティングミックス(4P分析) その1
マーケティングミックス(4P分析) その2
製品戦略@(製品とは) その1
製品戦略@(製品とは) その2
製品戦略A(新製品開発プロセス) その1
製品戦略A(新製品開発プロセス) その2
製品戦略B(製品ライン設計、PPM、製品陳腐化政策) その1
製品戦略B(製品ライン設計、PPM、製品陳腐化政策) その2
製品戦略B(製品ライン設計、PPM、製品陳腐化政策) その3
製品戦略C(製品ライフサイクル) その1
製品戦略C(製品ライフサイクル) その2
製品戦略D(プロダクトエクステンション) その1
製品戦略D(プロダクトエクステンション) その2
価格戦略@(製造コストとカスタマー・バリュー) その1
価格戦略@(製造コストとカスタマー・バリュー) その2
価格戦略A(価格設定の影響要因) その1
価格戦略A(価格設定の影響要因) その2
価格戦略B(価格設定手法) その1
価格戦略B(価格設定手法) その2
価格戦略B(価格設定手法) その3
価格戦略C(新製品の価格設定) その1
価格戦略C(新製品の価格設定) その2
価格戦略D(心理的価格設定、価格調整法、値下げ) その1
価格戦略D(心理的価格設定、価格調整法、値下げ) その2
流通戦略@(流通チャネルとは) その1
流通戦略@(流通チャネルとは) その2
流通戦略A(流通チャネルの種類) その1
流通戦略A(流通チャネルの種類) その2
流通戦略A(流通チャネルの種類) その3
流通戦略B(流通チャネル構築プロセス) その1
流通戦略B(流通チャネル構築プロセス) その2
流通戦略B(流通チャネル構築プロセス) その3
流通戦略C(チャネル変更とハイブリッド・チャネル) その1
流通戦略C(チャネル変更とハイブリッド・チャネル) その2
コミュニケーション(プロモーション)戦略@(コミュニケーションの役割) その1
コミュニケーション(プロモーション)戦略@(コミュニケーションの役割) その2
コミュニケーション(プロモーション)戦略A(コミュニケーション手法) その1
コミュニケーション(プロモーション)戦略A(コミュニケーション手法) その2
コミュニケーション(プロモーション)戦略A(コミュニケーション手法) その3
コミュニケーション(プロモーション)戦略B(プッシュ戦略とプル戦略) その1
コミュニケーション(プロモーション)戦略B(プッシュ戦略とプル戦略) その2
コミュニケーション(プロモーション)戦略C(メディアの種類) その1
コミュニケーション(プロモーション)戦略C(メディアの種類) その2
コミュニケーション(プロモーション)戦略D(コミュニケーション戦略立案プロセス) その1
コミュニケーション(プロモーション)戦略D(コミュニケーション戦略立案プロセス) その2
コミュニケーション(プロモーション)戦略D(コミュニケーション戦略立案プロセス) その3
コミュニケーション(プロモーション)戦略E(AIDMA・AISAS・AISCEAS理論) その1
コミュニケーション(プロモーション)戦略E(AIDMA・AISAS・AISCEAS理論) その2
コミュニケーション(プロモーション)戦略F(レピュテーション・マネジメント) その1
コミュニケーション(プロモーション)戦略F(レピュテーション・マネジメント) その2
ブランド戦略@(ブランドとは) その1
ブランド戦略@(ブランドとは) その2
ブランド戦略@(ブランドとは) その3
ブランド戦略A(ブランド・エクイティ) その1
ブランド戦略A(ブランド・エクイティ) その2
ブランド戦略A(ブランド・エクイティ) その3
ブランド戦略B(ブランドの構築と展開) その1
ブランド戦略B(ブランドの構築と展開) その2
ブランド戦略B(ブランドの構築と展開) その3
ブランド戦略C(ブランドの拡張と浸透) その1
ブランド戦略C(ブランドの拡張と浸透) その3
ブランド戦略D(コーポレート・ブランディング) その1
ブランド戦略D(コーポレート・ブランディング) その2
ブランド戦略D(コーポレート・ブランディング) その3
マーケティングリサーチ@(意義と役割) その1
マーケティングリサーチ@(意義と役割) その2
マーケティングリサーチA(必要な情報) その1
マーケティングリサーチA(必要な情報) その2
マーケティングリサーチA(必要な情報) その3
マーケティングリサーチB(手法とプロセス) その1
マーケティングリサーチB(手法とプロセス) その2
マーケティングリサーチB(手法とプロセス) その3
マーケティングリサーチC(注意点) その1
マーケティングリサーチC(注意点) その2
競争戦略@(競争戦略とは) その1
競争戦略@(競争戦略とは) その2
競争戦略A(リーダー企業の戦略) その1
競争戦略A(リーダー企業の戦略) その2
競争戦略A(リーダー企業の戦略) その3
競争戦略B(後続企業の戦略) その1
競争戦略B(後続企業の戦略) その2
競争戦略B(後続企業の戦略) その3
カスタマーリレーションシップマネジメント(CRM) その1
カスタマーリレーションシップマネジメント(CRM) その2
カスタマーリレーションシップマネジメント(CRM) その3
カスタマー・リレーションシップ・マネジメント(CRM)の実施と導入ポイント その1
カスタマー・リレーションシップ・マネジメント(CRM)の実施と導入ポイント その2
ビジネスマーケティング(生産財マーケティング) その1
ビジネスマーケティング(生産財マーケティング) その2
ビジネスマーケティング(生産財マーケティング) その3
ビジネスマーケティングと俯瞰思考 その1
ビジネスマーケティングと俯瞰思考 その2
ビジネスマーケティングと俯瞰思考 その3
ソリューションの価値と価格への転換 その1
ソリューションの価値と価格への転換 その2
ソリューションの価値と価格への転換 その3
グローバルマーケティング その1
グローバルマーケティング その2
グローバルマーケティング その3
グローバルマーケティングにおける企業の条件 その1
グローバルマーケティングにおける企業の条件 その2
グローバルマーケティングのプロセスと注意点 その1
グローバルマーケティングのプロセスと注意点 その2

HOME メルマガ登録 プロフィール お問い合わせ