経営を学ぶ-経営学・MBA・起業・ネットビジネス・リアルビジネスなど

コミュニケーション(プロモーション)戦略F(レピュテーション・マネジメント) その2

コミュニケーション(プロモーション)戦略F(レピュテーション・マネジメント) その2

<例>
牛乳をはじめとする乳製品の製造・加工、および販売を手がけているA社とB社は、長いあいだ競合の関係にありました。

 

どちらも創業から古く、世間的な評価も分かれています。

 

これまで両者は、オリジナルブランドの商品を開発するなどして、それぞれ顧客を獲得しつつ、切磋琢磨してきました。

 

そんな折、あるテレビ番組で牛乳に関する特集が組まれました。

 

その番組は、健康に対する新情報や海外での研究結果をキャッチーに取り上げることで有名です。

 

放送された翌日には、番組内で取り上げられた商品が店頭から売り切れてしまうという事態もあるほど。

 

つまり、かなりの影響力がある番組と言えます。

 

ただ、牛乳が取り上げられたときの番組構成は、どちらかと言うとその優れた点というよりは、マイナス面が目立っていました。

 

いわく「牛乳は太る」「背が伸びるのは迷信」「カルシウムは本当に必要か」など。

 

たしかに牛乳の効能についても解説されていましたが、消費者にとっては悪い面ばかりがクローズアップされた格好です。

 

その番組が放送された翌日から、牛乳の評判は一時的に低下してしまいました。

 

スーパーをはじめとする小売各社でも、数パーセントから多いところで数十パーセントもの販売減となり、A社にとってもB社にとっても大きな打撃です。

 

このまま牛乳の販売不振が続けば、経営を圧迫してしまうことは目に見えています。

 

ただ、A社とB社がとった対応は対照的でした。

 

A社が多額の費用と時間をかけて独自の社内調査をし、ホームページをはじめとするさまざまなメディアで丁寧に牛乳の有用性を説明したのに対し、B社は牛乳の販売量を減らし、他の乳製品に力を入れはじめたのです。

 

A社は牛乳業界全般を、B社は自社のみのことを考えての行動です。

 

その結果、小売店や株主などのステークホルダーが、A社の対応を高く評価するに至りました。

 

また、メディアでもA社の研究結果を新しい成果として発表されるようになり、消費者に対するレピュテーションも徐々に回復しました。

 

一方でB社は牛乳はもちろんのこと、他の乳製品に関しても業界各所から冷遇されることになったのです。

 

 

<解説>
レピュテーション・マネジメントは、自社だけで完結できるとは限りません。

 

業界全体の問題は、そこに所属する企業自らが率先して対応しなければならないのです。

 

利益を考慮することはもちろん重要なのですが、消費者だけでなくすべての業界関係者にも評価される対応が求められることでしょう。

 

 

【クライシス・コミュニケーションの実施】
それでは最後に、レピュテーション・マネジメントにおける「クライシス・コミュニケーション」について、簡単に解説していきましょう。

 

意識すべきポイントは次の3つです。

 

<1.平常時の対応>
緊急事態はいつ発生するかわかりません。

 

だからこそ、いつでも動けるように危機管理マニュアルを整備するなどの対策を万全にしておくことが大切です。

 

また、経営者だけでなく、そこで働く社員全員が緊急事態に対処できるように、研修などを通じて日頃から対応できる体制を整えておきましょう。

 

 

<2.緊急時の対応>
緊急時の対応については、迅速性と社内での連携が求められます。

 

素早く情報収集を行い、トップを中心に対応を模索しつつ、できる限り迅速に社会に対して情報を開示しなければなりません。

 

初動の速さは、いかに社内の人間が連携して行動できるかという点にかかっているでしょう。

 

 

<3.全社的な危機管理>
また、全社的な危機管理体制を整えておくことも忘れてはなりません。

 

事件が発生してから社内で危機管理体制を構築しても遅いのです。

 

経営陣だけでなく、末端のスタッフまで危機管理に対する理解をうながすことが大切でしょう。

 

それが結果的に、スムーズな対応へとつながります。

 

コミュニケーション(プロモーション)戦略(レピュテーション・マネジメント)

 

 

【まとめ】
・企業はそのレピュテーション(評判・名声)についてもマネジメントしなければならない
・レピュテーション・マネジメントで考慮すべき対象は、消費者、ステークホルダー、メディア、インフルエンサーなど多岐にわたる
・レピュテーション・マネジメントには「平常時のコミュニケーション」と「危機管理コミュニケーション(クライシス・コミュニケーション)」の2つがある
・クライシス・コミュニケーションは次の3つの点に注意する
 1.平常時の対応
 2.緊急時の対応
 3.全社的な危機管理

 

 

前のページ 「コミュニケーション(プロモーション)戦略F(レピュテーション・マネジメント) その1」

関連ページ

マーケティングとは その1
マーケティングとは その2
マーケティング戦略策定プロセス その1
マーケティング戦略策定プロセス その2
マーケティング戦略策定プロセス その3
企業におけるマーケティング その1
企業におけるマーケティング その2
環境分析 その1
環境分析 その2
環境分析のフレームワーク その1
環境分析のフレームワーク その2
環境分析のフレームワーク その3
マーケティング課題の特定 その1
マーケティング課題の特定 その2
標的市場の選定 その1
標的市場の選定 その2
標的市場の選定 その3
セグメンテーション その1
セグメンテーション その2
ターゲティング その1
ターゲティング その2
ターゲティング その3
ポジショニング その1
ポジショニング その2
ポジショニング その3
マーケティングミックス(4P分析) その1
マーケティングミックス(4P分析) その2
製品戦略@(製品とは) その1
製品戦略@(製品とは) その2
製品戦略A(新製品開発プロセス) その1
製品戦略A(新製品開発プロセス) その2
製品戦略B(製品ライン設計、PPM、製品陳腐化政策) その1
製品戦略B(製品ライン設計、PPM、製品陳腐化政策) その2
製品戦略B(製品ライン設計、PPM、製品陳腐化政策) その3
製品戦略C(製品ライフサイクル) その1
製品戦略C(製品ライフサイクル) その2
製品戦略D(プロダクトエクステンション) その1
製品戦略D(プロダクトエクステンション) その2
価格戦略@(製造コストとカスタマー・バリュー) その1
価格戦略@(製造コストとカスタマー・バリュー) その2
価格戦略A(価格設定の影響要因) その1
価格戦略A(価格設定の影響要因) その2
価格戦略B(価格設定手法) その1
価格戦略B(価格設定手法) その2
価格戦略B(価格設定手法) その3
価格戦略C(新製品の価格設定) その1
価格戦略C(新製品の価格設定) その2
価格戦略D(心理的価格設定、価格調整法、値下げ) その1
価格戦略D(心理的価格設定、価格調整法、値下げ) その2
流通戦略@(流通チャネルとは) その1
流通戦略@(流通チャネルとは) その2
流通戦略A(流通チャネルの種類) その1
流通戦略A(流通チャネルの種類) その2
流通戦略A(流通チャネルの種類) その3
流通戦略B(流通チャネル構築プロセス) その1
流通戦略B(流通チャネル構築プロセス) その2
流通戦略B(流通チャネル構築プロセス) その3
流通戦略C(チャネル変更とハイブリッド・チャネル) その1
流通戦略C(チャネル変更とハイブリッド・チャネル) その2
コミュニケーション(プロモーション)戦略@(コミュニケーションの役割) その1
コミュニケーション(プロモーション)戦略@(コミュニケーションの役割) その2
コミュニケーション(プロモーション)戦略A(コミュニケーション手法) その1
コミュニケーション(プロモーション)戦略A(コミュニケーション手法) その2
コミュニケーション(プロモーション)戦略A(コミュニケーション手法) その3
コミュニケーション(プロモーション)戦略B(プッシュ戦略とプル戦略) その1
コミュニケーション(プロモーション)戦略B(プッシュ戦略とプル戦略) その2
コミュニケーション(プロモーション)戦略C(メディアの種類) その1
コミュニケーション(プロモーション)戦略C(メディアの種類) その2
コミュニケーション(プロモーション)戦略D(コミュニケーション戦略立案プロセス) その1
コミュニケーション(プロモーション)戦略D(コミュニケーション戦略立案プロセス) その2
コミュニケーション(プロモーション)戦略D(コミュニケーション戦略立案プロセス) その3
コミュニケーション(プロモーション)戦略E(AIDMA・AISAS・AISCEAS理論) その1
コミュニケーション(プロモーション)戦略E(AIDMA・AISAS・AISCEAS理論) その2
コミュニケーション(プロモーション)戦略F(レピュテーション・マネジメント) その1
ブランド戦略@(ブランドとは) その1
ブランド戦略@(ブランドとは) その2
ブランド戦略@(ブランドとは) その3
ブランド戦略A(ブランド・エクイティ) その1
ブランド戦略A(ブランド・エクイティ) その2
ブランド戦略A(ブランド・エクイティ) その3
ブランド戦略B(ブランドの構築と展開) その1
ブランド戦略B(ブランドの構築と展開) その2
ブランド戦略B(ブランドの構築と展開) その3
ブランド戦略C(ブランドの拡張と浸透) その1
ブランド戦略C(ブランドの拡張と浸透) その2
ブランド戦略C(ブランドの拡張と浸透) その3
ブランド戦略D(コーポレート・ブランディング) その1
ブランド戦略D(コーポレート・ブランディング) その2
ブランド戦略D(コーポレート・ブランディング) その3
マーケティングリサーチ@(意義と役割) その1
マーケティングリサーチ@(意義と役割) その2
マーケティングリサーチA(必要な情報) その1
マーケティングリサーチA(必要な情報) その2
マーケティングリサーチA(必要な情報) その3
マーケティングリサーチB(手法とプロセス) その1
マーケティングリサーチB(手法とプロセス) その2
マーケティングリサーチB(手法とプロセス) その3
マーケティングリサーチC(注意点) その1
マーケティングリサーチC(注意点) その2
競争戦略@(競争戦略とは) その1
競争戦略@(競争戦略とは) その2
競争戦略A(リーダー企業の戦略) その1
競争戦略A(リーダー企業の戦略) その2
競争戦略A(リーダー企業の戦略) その3
競争戦略B(後続企業の戦略) その1
競争戦略B(後続企業の戦略) その2
競争戦略B(後続企業の戦略) その3
カスタマーリレーションシップマネジメント(CRM) その1
カスタマーリレーションシップマネジメント(CRM) その2
カスタマーリレーションシップマネジメント(CRM) その3
カスタマー・リレーションシップ・マネジメント(CRM)の実施と導入ポイント その1
カスタマー・リレーションシップ・マネジメント(CRM)の実施と導入ポイント その2
ビジネスマーケティング(生産財マーケティング) その1
ビジネスマーケティング(生産財マーケティング) その2
ビジネスマーケティング(生産財マーケティング) その3
ビジネスマーケティングと俯瞰思考 その1
ビジネスマーケティングと俯瞰思考 その2
ビジネスマーケティングと俯瞰思考 その3
ソリューションの価値と価格への転換 その1
ソリューションの価値と価格への転換 その2
ソリューションの価値と価格への転換 その3
グローバルマーケティング その1
グローバルマーケティング その2
グローバルマーケティング その3
グローバルマーケティングにおける企業の条件 その1
グローバルマーケティングにおける企業の条件 その2
グローバルマーケティングのプロセスと注意点 その1
グローバルマーケティングのプロセスと注意点 その2

HOME メルマガ登録 プロフィール お問い合わせ