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環境分析 その1

環境分析 その1

【マーケティングと環境分析】
企業活動においてマーケティングを実践する場合には、まず、自社を取り巻く環境を分析する必要があります。

 

その理由は、企業の経済活動すべてが、外部と内部の環境によって大きく影響を受けるためですね。

 

どんなに大きな企業でも、零細企業でも、自社の都合だけを考えてビジネスを行うことはできません。

 

少なくとも、市場や顧客からの影響を必ず汲み取らなければ、モノもサービスも売ることはできないのです。

 

たとえば、日本には日本の法律があります。

 

もし海外の企業が日本に進出する場合に、日本の法律をしっかりと把握しておかなければ、場合によっては大きな損失どころか撤退を余儀なくされてしまうでしょう。

 

もちろん、日本の文化についても知っておく必要があります。

 

日本人が重んじる「礼」を失してしまえば、受け入れられる可能性が低いのは自明の理なのです。

 

その他にも、市場の特性、顧客の動向、競合他社の存在を含めた「外部環境」と、経営資源、強み、企業文化などの「内部環境」が、マーケティング活動に影響を及ぼします。

 

外部環境から、市場における機会と脅威を理解し、内部環境から、自社の強みと弱みを理解することによって、マーケティング戦略の方向性が明らかになるのですね。

 

これはまさに、経営資源の最適化を図るためのフレームワークである「SWOT分析(強み(Strengths)、弱み (Weaknesses)、機会 (Opportunities)、脅威 (Threats)の頭文字をとったもの)」そのものです。

 

これに「PEST分析(政治(Politics)、経済(Economics)、社会(Society)、技術(Technology)の頭文字をとったもの)」を加えれば、マーケティング戦略の構築に必要な環境分析のおおよそを押さえることができます。

 

とは言え、初期の段階では大きく「外部環境」と「内部環境」への意識を高めれば十分でしょう。

 

簡単にまとめると、以下のとおりです。

 

・外部分析
 マクロ環境(経済、政治、社会)、ミクロ環境(市場、顧客、競合) など

 

・内部分析
 経営資源、強みと弱み、企業文化 など

 

環境分析

 

マーケティングを行うことによって、必要以上に情報収集に力を入れてしまい、結果として身動きが取れなくなってしまっては意味がありません。

 

環境分析は、あくまでもマーケティングのいち過程であることを念頭に置き、ある程度の段階で思い切ることも必要です。

 

そのためには、まず、大枠として環境分析がどのようなものなのかを把握しておきましょう。

 

 

【例題】
それでは、例題を通じて、環境分析への理解を深めていきましょう。

 

マーケティングに関する知識は、特定の業界や業種にのみ活用できるという性質のものではありません。

 

ありとあらゆる業界・業種に応用可能だということを踏まえて、「自分の会社で実践するには、具体的にどうすればいいだろうか?」という視点で読み進めてみてください。

 

<例>
設立からまだ間もない新興の出版社であるA社は、独自の戦略を駆使して、これからの出版会をリードできるような企業へと進化したいと考えていました。

 

現在は、若くして収益性の高い本を出版できる著作家を数名囲い込んでおり、今後は、出版のパッケージ化(企画から販売促進まで)などを幅広く手がけようと画策しています。

 

いわば、総合的な出版プロデュース企業のようなイメージです。

 

書籍の現状といえば、数十年にわたって活字離れと言われてきた背景があるものの、それは必ずしも実態を反映しているとはいえません。

 

というのも、たしかに日本における書籍の総売上高自体は下落しているのですが、新刊本の出版数は横ばいか、あるいは微増しているのです。

 

このことは、1冊1冊の書籍が爆発的に売れるということはなくなったものの、数多く出版することで、利益を確保できるということを意味しています。

 

その点に着目したA社は、さらに出版の現状について環境分析を進めることにしました。

 

また、立ち上げの段階から意識していた自社の強みについても、あらためてブラッシュアップすることに。

 

外部環境と内部環境をしっかりと理解することで、マーケティング活動に勢いをもたせようという狙いがあります。

 

その過程で構築された戦略は、徹底した「採算ベースの出版」でした。

 

これは、売れるか売れないかという編集者の勘や、「面白そうだからとりあえず出版してみよう」というようなファジーな判断をなくし、出版によって明らかに利益が確保できる書籍に絞るというものです。

 

この戦略のおかげで、A社は少ない資源で安定した経営を行うことができるようになりました。

 

 

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