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価格戦略B(価格設定手法) その1

価格戦略B(価格設定手法) その1

【具体的な価格の決め方】
価格に影響を与える要因にはさまざまなものがあります。

 

それぞれの要素を考慮しつつ検討を重ねるわけですが、どんな製品も最終的には具体的な数値を決めなければなりません。

 

数多くの指標を収集し、それぞれの重要な要素をくみとることは大切ですが、検討に検討を重ねた結果、具体的な価格設定ができなければ販売を開始することはできませんよね。

 

そこで、価格に影響を与える代表的な要素をピックアップして、それらを中心に検討を重ねることによって、よりスピーディーかつ適切な価格設定ができるようになります。

 

具体的には次の3つです。

 

「原価」志向の価格設定
「需要」志向の価格設定
「競争」志向の価格設定

 

「原価志向の価格設定」では、適切な利益の確保と製造コストの最小化を目指します。

 

原価に忠実であるため、顧客にとってもっとも貢献度の高い価格設定ができる反面、売り手側としては、本来得られるはずの売上(市場の相場)から大きく下回った値付けをしてしまうこともありますので注意が必要です。

 

「需要志向の価格設定」では、顧客がその製品に対して感じている価値(カスタマー・バリュー)をベースに価格を設定します。

 

製造コストから価格を算出する原価志向とは異なり、価格の上限となるカスタマー・バリューをもとに価格を決めるため、利益を最大化することが可能となります。

 

ただし、カスタマー・バリューを正確に把握することは容易ではありません。

 

最後の「競争志向の価格設定」では、競合他社がいることを前提に価格を決めるので、原価志向とも需要志向とも違った市場ベースの価格設定をすることになります。

 

製品が十分に差別化できていない場合には、単なる価格競争に陥ってしまうこともあるため、独自の価値を打ち出せるように製品そのものの性能やベネフィットを高める必要があるでしょう。

 

 

【例題】
それでは、例題をとおして、価格設定の手法についてより深く学んでいきましょう。

 

具体的な価格を決める場面では、マーケティングの手法を考慮することも大切ではありますが、業界特有の慣例に従わなければならないことも多いです。

 

戦略的な価格設定ができたとしても、それが業界の慣例に則っているかどうかも確認しつつ、最終的な判断ができるようにしたいですね。

 

<例>
全国の中小企業を中心に経営アドバイス・コンサルティングを行っているA社は、セミナーや商業出版、あるいは口コミをとおしてクライアントを増やしていました。

 

最近では定期的にラジオ番組にも参加しており、順調に知名度があがっています。

 

そのおかげで顧客数は右肩上がり。

 

商業出版による売上も会社の成長に大きな貢献をしています。

 

ただ、ひとつだけ問題がありました。

 

それは、各中小企業の価格設定に関するものです。

 

経営に関するアドバイスは、A社の過去の経験や蓄積したノウハウから行えるのですが、クライアントの業種はさまざまなので、その業種にあった料金設定をどのように行えば良いのか、担当者によって判断があいまいだったのです。

 

ビジネスにおいて、提供する商品やサービスの価格をどうするかという問題は、経営の根幹を左右する重要なポイントです。

 

担当者によって個別に判断することは悪いことではありませんが、それが経験や勘のようなものに頼っていては、より説得力のあるアドバイスはできません。

 

そこで、A社全体で共有できる明確な基準を決めることにしました。

 

経営コンサルタント部隊のリーダーであるK課長は、さっそく、各担当者がどのように価格に関するアドバイスをしているのか、聞き込みをはじめました。

 

その結果わかったのは、どの担当者も独自の判断材料に頼っていたということです。

 

ただ、その中でも、一定の基準があることに気が付きました。

 

それは、マーケティングにおける価格設定の3ポイントです。

 

・原価志向の価格設定
・需要志向の価格設定
・競争志向の価格設定

 

覚えているかはさておいて、これらの手法はA社に入社した全社員が研修として学んだマーケティング理論の一部でした。

 

明確な基準をもっていなくても、経験と過去に学んだことをいかしてそれぞれが基準を設けていたことは評価するべきでしょう。

 

K課長は、この3つのポイントを価格設定の際に意識するよう通達を出し、マニュアル化しました。

 

その結果、どんな業種のどんな会社に対しても、一定の基準に沿った的確なアドバイスができるようになりました。

 

「原価」「需要」「競争」というそれぞれの要素は、いずれの業種でも必ず計測できるものなので、普遍性があり、利用しやすいと担当者からも評判です。

 

過去に学んだマーケティング理論を実務に生かすという意味においても、効果的だったと言えるでしょう。

 

 

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