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ブランド戦略D(コーポレート・ブランディング) その2

ブランド戦略D(コーポレート・ブランディング) その2

【例題】
それでは例題をとおして、コーポレート・ブランディングについてより深く学んでいきましょう。

 

企業のブランディングに必要なものは、優れた製品やサービスだけにとどまりません。

 

どのようなビジョンを持ち、社会に対してどのような価値を提供できるのかを明確にうったえられなければ、これからの社会で生き残っていくのは難しいのです。

 

重要なのは、企業の理念やビジョンをブランドに織り込みつつ、社員や顧客、あるいはステークホルダーに浸透させることです。

 

短期的な効果を期待していては、望むようなブランドを構築することはできません。

 

実現したいストーリーを粛々と伝えていくことが大切です。

 

<例>
和菓子や洋菓子など、さまざまなお菓子を製造・販売しているA社は、老舗メーカーでありながら、ここ数年は苦境が続いていました。

 

それというのも、競合となる大手各社はもちろんのこと、最近では多くの外資系企業が日本市場に参入しており、老舗メーカーという強みが市場で十分に生かせなくなっているのです。

 

つまり、ネームバリューだけで購入される頻度が減っていたのです。

 

こうした状況になる以前は、A社という社名だけで対象のお菓子を購入してくれることが多かっただけに、動揺を隠しきれません。

 

社長のMさんをはじめ、役員は総出でこのピンチを抜けだそうと作戦を練っていました。

 

しかし、状況をすぐに打開するだけに画期的な施策はなかなか思いつきません。

 

そこで着目したのが、商品の個別ブランドです。

 

A社は社名で選ばれることも多かったのですが、それ以上に、お菓子のカテゴリーごとに設けている個別のブランドが顧客から幅広く認知されていました。

 

そうした点を利用して、よりブランド力の強化を図ることにしたのです。

 

まずは、各ブランドを調査することからはじめます。

 

その過程でわかったことは、個別のブランドに大きな問題はないということでした。

 

むしろ、これまで社名によって指名買いされていたという認識が間違っており、あくまで社内でだけそのように判断されていたことが判明したのです。

 

そこで、個別のブランドを改善するのではなく、社名を冠したブランドの認知度を高める戦略へとシフトすることにしたのです。

 

具体的には、企業名をそのままブランド名に使用するのはもちろんのこと、もともと企業理念として掲げていた「すべての子どもに甘いものを」というコンセプトを前面に打ち出すことにしたのです。

 

これまでのように、個別の品目ごとにのみCMや広告を打つのではなく、イメージベースで顧客に対してアピールする機会を増やすようにしました。

 

また、将来的なビジョンとして、A社がどのような未来を創造したいのかについても、インベントやキャンペーンを通じて打ち出すようにしました。

 

直接的な商品の売上増に貢献しない活動でも、顧客とコミュニケーションができるものであれば積極的に行うようにしたのです。

 

これは、社内の広報部を中心に行わせました。

 

その結果、顧客からの反応はもちろんのこと、社内の人間にもA社の考え方や理念が浸透するようになりました。

 

また、お菓子の製造だけでなく、子どもが遊べるイベント施設を開設し、そこでA社のお菓子作りを体験したり、あるいはできたてのお菓子を食べられるようにした結果、施設の営業利益が新しい収益源となったのです。
イベントやキャンペーンの模様はホームページやSNS、さらにはソーシャルメディアでも配信し、ファンサイトもオープン。

 

シェアやリンクによって活動を普及させることにも力を入れました。

 

社内にもWEBマーケティングに特化した部署を創設。

 

これからの時代に適合した企業へと生まれ変わろうとしています。

 

 

<解説>
コーポレート・ブランディングを見直すことで、企業の体質そのものを変化させることも可能です。

 

時代の変化に応じてCMや広告も変えていかなければ、長期的な繁栄は難しいでしょう。

 

とくに日本の消費者は、モノ消費からコト消費へと移行している傾向にあります。

 

自社のブランド力を見直し、正しい施策を行うことが求められます。

 

 

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