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ブランド戦略D(コーポレート・ブランディング) その3

ブランド戦略D(コーポレート・ブランディング) その3

【CSRを活用したブランディング】
最後に、CSRを活用した企業のブランディングについて考えていきましょう。

 

そもそもCSRとは「Corporate Social Responsibility」の略で、「企業の社会的責任」と訳されます。

 

企業はただ利益を追求するだけでなく、その活動の中で社会に対しても責任を果たしていかなければならない、という考え方です。

 

そのためにはステークホルダーの要求にも耳を傾け、適切に意思決定を行うことが求められます。

 

CSRとは

 

CSRをブランディングに生かすという発想は、つまり、高まった認知度や信頼度を上手にコーポレート・ブランディングへと転換させるということです。

 

社会に貢献するような活動を企業が主体的に行えば、それだけで企業イメージは良くなります。

 

それを企業のブランドイメージにも反映させ、事業活動そのものにも好循環をもたらすのです。

 

CSRの活動にも2種類あって、ひとつは「受動的CSR」、もうひとつは「戦略的CSR」と呼ばれています。

 

受動的CSRとは、社会的な問題を解決することで、受動的に顧客やステークホルダーから指示を得るというもの。

 

一方で戦略的CSRとは、社会的な活動を戦略の一部ととらえ、競合他社との差別化を実現するために活用するというものです。

 

日本においてCSRと言えば、どうしても慈善事業ととらわれがちです。

 

しかし、戦略的に考えることによって、単なる社会貢献から企業そのものを成長させるための施策として活用することもできるのです。

 

このことは、そのままコーポレート・ブランディングの構築にも応用することができるでしょう。

 

つまり、CSRによるコーポレート・ブランディングです。

 

よくある例で言えば、環境に対する取り組みでしょう。

 

環境問題は世界規模の問題であるだけに、企業が積極的に取り組みやすいものだと言えます。

 

また、成果がすぐにでるということはなく、継続的に行えるという点も注目するべきですね。

 

少々姑息だと思われるかもしれませんが、解決できたかどうかよりも行っているという姿勢が評価されるのです。

 

しかし行っていることは必ず社会の役に立ちます。

 

もちろん、営利企業は利益をあげなければ存続することが許されません。

 

だからこそ、本業は本業として行うのはあたり前として、広告活動や広報活動の一環としてCSRに関することを行う。

 

加えて、そこにマーケティングの要素を加味すれば、CSRという社会的な活動と事業活動が相互に関係するようになります。

 

事業活動とは関係のないCSRを行うことは、ときには利益の無駄遣いになり兼ねません。

 

そうなれば、ステークホルダーに対して説得力がなくなってしまうでしょう。

 

ただし、コーポレート・ブランディングをはじめとする事業活動の一環としてCSRとらえなおすことで、企業の成長に欠かせないものとなるのですね。

 

具体的には、有害物質の削減、環境に配慮した製品の開発、資源の有効利用、あるいは水の寄付など、企業はさまざまなCSRに関連する活動を行っています。

 

そうした社会への高い貢献度は、直接的に顧客からも評価されるようになり、結果としてその企業の製品やサービスが選ばれるということも実際にあるのです。

 

いわゆる意識の高い消費者などは、判断基準に企業のCSRに関する活動を挙げている場合も少なくありません。

 

CSRの具体的な内容

 

企業側としては、本業が順調でなければ、なかなかCSRの活動にまで手が回らないということも多いでしょう。

 

ただ、広告宣伝やイメージ戦略の一環として行うのであれば、長期的な意味での投資としてとらえることも可能です。

 

費用対効果を厳密に計測することは難しいですが、無駄にならないと思えば前向きに取り組むべきものだと判断できるでしょう。

 

マーケティングとしても、戦略の一部としても考えておきたいところです。

 

もちろん、ブランド戦略全体を見直す際には、CSRをどのように組み込むべきかを考慮し、全社的に施行することが求められます。

 

 

【まとめ】
・個別の製品やサービスではなく、企業そのものをブランド化することを「コーポレート・ブランディング」と言う
・時代の変化に応じて、顧客とのコミュニケーションも含めたブランディングを模索する必要がある
・企業は、自身のブランド力を再考し、最適な戦略を構築しなければならない
・CSRに関する活動を通じてブランド力を醸成することも可能であり、両者を切り離して考えるのではなく相乗効果を生み出したい

 

 

前のページ 「ブランド戦略D(コーポレート・ブランディング) その2」

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