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マーケティング課題の特定 その1

マーケティング課題の特定 その1

【マーケティング課題の特定】
マーケティングの最終的な目標は、会社が抱えている問題、あるいは課題を解決し、企業の発展をうながすことです。

 

そのためには、マーケティングによってどのような問題・課題を解決したいのかを、明確にしなければなりません。

 

問題・課題を特定するに際して、十分に議論を重ねずに、抽象的なまま実行してしまえば、望むような成果を得ることはできないでしょう。

 

たとえば、「会社の業績が低迷しているので、V字回復させるためにマーケティングを活用する」と定めた場合、はたしてどれほどの効果が見込めるでしょうか。

 

闇雲に顧客優先の戦略を打ち出したり、価格を競合他社より下げるなど、無難なマーケティングを実施するのが関の山でしょう。

 

なぜなら、マーケティング課題が具体的に特定されておらず、行動の軸が明確でないからですね。

 

マーケティング戦略を考案するのは、企業における上層部の人間かもしれませんが、それを実行するのは現場にいるスタッフです。

 

もし彼らが、課題の特定されていないマーケティングを実施するとした場合に、「何を実現するために?」「どのような課題があるなかで?」「優先順位については?」などの疑問が解決できなければ、調査や分析、意識決定にも支障が生じるのは当然でしょう。

 

また、安易にマーケティング課題を特定してしまうのも考えものです。

 

「これからは高齢化の時代だから、新しい顧客を発掘するために、デリバリーサービスを実施しよう」

 

一見、もっともらしい意見のように思われるかもしれませんが、その実、自社の強みや弱み、あるいは市場の機会や脅威が十分に反映されていません。

 

メディアやインターネットで入手した情報を鵜呑みにするのではなく、「なぜ」をくり返して、仮説をベースに検討を進めることが大切でしょう。

 

 

【例題】
それでは、例題を通じて、マーケティング課題の特定がいかに重要なのかをみていきましょう。

 

マーケティングから戦略・戦術を構築し、日々の業務に生かすというのは企業活動の基本ではありますが、実際には、「マーケティングを実施すること」が目的になっていることも少なくありません。

 

そうならないためにも、マーケティング課題を特定することの重要性を理解しましょう。

 

<例>
都内で編集プロダクションを経営しているAさんは、複数の大手出版社から下請け業務を受注しつつ営業活動を行ってきました。

 

事務所には、Aさんを含めて数人のスタッフしかおりませんが、企画・構成から取材、校正までの一連の業務を担当し、その高い業務能力が定評を呼んでいます。

 

そのおかげで、独立当初から仕事が途切れることなく、現在に至っています。

 

しかし、ここ数年の出版不況にともなって、Aさんの事務所も窮地に立たされています。

 

下請け業務の単価も下がっており、今後は上がる兆しがありません。

 

それどころか、依頼内容はどんどん厳しくなっており、このままではいずれ立ち行かなくなってしまうことでしょう。

 

そうした懸念から、今後は大手からの下請け受注だけでなく、独自の出版も手がけることにしました。

 

ただ、最初から最後まで出版を手がけたことがないAさんは、どのように営業を行えば良いのかすらわからず悩んでいました。

 

人数が少ない以上、無駄に時間や労力を投下するわけにはいきません。

 

そこで、マーケティングを活用することにしたのです。

 

自社にとっての強みや弱みを把握し、市場の機会と脅威を把握する。

 

そのうえで、自社の出版を展開しようと考えたのです。

 

マーケティングは顧客からスタートするのが基本ですが、編集プロダクションにとっての顧客は出版社であり、取次であり、書店であり、さらには本の著者や読者でもあります。

 

そのため、データ収集とその分析は混迷を極め、時間も労力も使いました。

 

しかし、この試みはうまくいきませんでした。

 

その理由は、マーケティングによってどんな課題を解決するのかを、明確にしていなかったからです。

 

自社が手がける出版事業の内的・外的な要因は把握できたのですが、具体的にどう実行に移せばよいのかが明らかにならなかったのです。

 

これでは、現場の人間は動きようがありません。

 

そこで改めて、「自社の経営を安定させるために、現在の出版社が解決できていないスキマのニーズに対応することで、ニッチな市場を攻略する」という、明確な課題を特定しました。

 

その結果、営業先の選定もスムーズに進み、徐々に受注が得られるようになったのです。

 

Aさんが感じていた出版業界への不満を、そのまま仮説として活用したのが功を奏した格好です。

 

 

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