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流通戦略②(流通チャネルの種類) その1

【流通チャネルの種類】
製造メーカーを例にとると、作った製品を、市場から消費者へと提供する役割を担う流通チャネルには、いくつかの種類があります。

 

その種類には大きく「自社の流通組織(営業)」と「外部の流通組織」があり、さらに外部の流通組織は「小売業者」と「卸売業者」にそれぞれ分類することができます。

 

流通機能を分社化していたり、グループ会社に委託している場合には、外部ではなく自社の流通組織として考えたほうが良いでしょう。

 

流通戦略(流通チャネルの種類)

 

 

<自社の流通組織(営業)>
まず、自社の流通組織ですが、端的に言えばこちらは社内の営業担当者ということになります。

 

そもそも営業の基本的な役割は、注文を受注し契約を締結、最終的には製品を販売することです。

 

しかしその他にも、価格や条件面における交渉、クレームの処理、あるいは小売店で製品の陳列状況を監督したりなど、その業務内容は多岐にわたります。

 

そして、社内の営業担当者が外部の流通業者を訪問する際には、製品に関することや販売方法についてのレクチャーだけでなく、在庫調査や補充、注文、さらには流通業者の業務管理に対して改善計画を示すこともあります。

 

このように、自社の営業担当者は、内部にいながら流通チャネルと同等の働きをしています。

 

加えて、営業相手が法人、とくにエンドユーザーの場合には、流通業者に対して自社の製品を注文するように働きかけることも可能です。

 

たとえば、バイクのモーターを作っているメーカーが、郵便配送業者に「バイクのモーターはぜひ自社のものを」と営業をかけるような場合ですね。

 

そうすることによって、郵便配送業者から外部の流通チャネルへと注文をうながすことにつながるのです。

 

 

<外部の流通組織>
次に外部の流通組織ですが、消費財の場合には流通チャネルというとこちらのことを指すのが一般的です。

 

組織の規模によって特定の製品だけを取り扱う業者もあれば、複数の製品を取り扱う業者もあります。

 

本来、製造メーカーと流通業者の関係性は明文化された契約に基づいているため、流通業者は一定の供給源を確保でき、さらにメーカー側は販売トレーニングや新商品情報、あるいは技術支援などを行うことで販売力を強化することが可能となっています。

 

ただし、近年では流通業者の交渉力が向上していることも見逃せません。

 

コンビニなど、全国に幅広く展開している小売店などの場合には、どのような商品が売れるかを地域ごとに把握しており、またそうした情報を蓄積したビックデータの活用によって、メーカーに対して交渉力を強めています。

 

<?小売業者>
そんな外部の流通組織の一端を担う小売業者ですが、彼らは製品を広く消費者に伝え、届けるために重要な役割を果たしています。

 

日用品や食品はスーパーやコンビニに行って買うのが一般的ですし、自動車ならカーディーラー、電化製品なら家電量販店を訪れるはずです。

 

こうした消費者の購買行動を促進させるための集客力こそ、小売店に求められているもっとも重要な機能ですね。

 

製造メーカーが小売店に対して行うべきなのは、商品を取り扱ってもらうことはもちろん、どのフロアにどのような陳列の仕方で置いてもらうかまで考慮しなければなりません。

 

直接消費者と相対する立場にある小売業者に適切なアドバイスができなければ、製品のコンセプトやターゲット、あるいは目的を達成することは難しいでしょう。

 

こうした小売業者は、出店に際してさまざまな経費をかけています。

 

地代や建設費を含めた設備投資に加え、スタッフへの給料や販売促進費なども捻出しなければなりません。

 

そのため、卸売業者よりも高額のマージンを得られることが多く、正礼価格をキープしている百貨店ではその4〜5割程度がマージンとなります。

 

 

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