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流通戦略B(流通チャネル構築プロセス) その3

流通戦略B(流通チャネル構築プロセス) その3

【例題】
それでは、例題をとおして、流通チャネル構築のプロセスについてより深く学んでいきましょう。

 

企業活動は優れた製品を開発しただけでは成り立ちません。

 

どのように販売していくのか、つまり営業活動や流通チャネルなどの総合的な販売戦略も考慮しなければならないのです。

 

その点に注意しながら読み進めてみてください。

 

<例>
創業5年目以内のベンチャー企業向けにオンライン・マーケティングのコンサルティングを行っているA社は、設立3年目を迎え、組織の抜本的な改革に乗り出すことにしました。

 

というのも、これまで少数精鋭で運営してきた事業の規模が徐々に拡大しており、これからは増員しつつ組織を大きくしようと画策しているのです。

 

A社の社長であるOさんがとくに重視しているのは、コンサルタントと営業マンでした。

 

できるかぎり優秀な人材を確保しようと、最近ではトップセールスをかけつつヘッドハンティングを行っています。

 

その甲斐もあって、望んでいる人材が少しずつ確保できるようになりました。

 

社員数も当初から倍増しています。

 

ただ、業績については芳しくありませんでした。

 

通常であれば、既存の業務を人数を増やして行えば利益もそれだけ増えるはずなのですが、固定費のほうが高くついてしまい、なんと赤字に転落してしまったのです。

 

O社長は当初、正社員を雇用しすぎたのかと疑ったほどでした。

 

しかし、原因は別のところにあったのです。

 

定例会議で最近の業績悪化について問いただしたO社長は、営業スタッフから予想だにしない言葉を聞いたのです。

 

なんと、新規開拓で手一杯になっており、既存の顧客をフォローアップできていないというのです。

 

これにはO社長も頭を抱えてしまいました。

 

サービスを提供しているばっかりで、本当の意味での“流通”ができていない証拠です。

 

このままでは、新規の受注ができても、その後のフォローができずにいずれは手詰まりになってしまう。

 

そう考えたO社長は心機一転、流通チャネルの構築をやり直す決意をしたのです。

 

マーケティングの手法に則って「@ターゲット市場・自社経営資源の把握」「Aチャネルの長さの決定」「Bチャネルの幅・排他性の決定」「C展開エリアの決定」「Dチャネルメンバーの選定」「Eチャネルの動機づけ政策の決定」を愚直に行いました。

 

その結果、同じくベンチャー企業向けに文房具や雑貨を宅配しているB社と提携することになりました。

 

B社が中間に入ることで、A社のサービスを新規顧客に営業してもらうかわりに、一定のマージンを支払うことにしたのです。

 

これによって、A社の営業マンは既存顧客のフォローに全力を尽くすことができます。

 

そのおかげで、くり返しの受注が見込めるようになり、業績も回復したのです。

 

 

<解説>
流通チャネルの構築は、マーケティング戦略の一環として入念に検討しなければなりません。

 

そのプロセスにおいて考慮しなければならないことはたくさんありますが、事業を継続して行うためには、欠かせない作業と言えるでしょう。

 

事例においてA社が行ったように、必ずしも自社だけでビジネスを行う必要はなく、状況に応じて他社との提携も模索するべきです。

 

それぞれの企業の特性を理解しつつ、より効率的に営業活動を行うために、じっくりと考えてみましょう。

 

 

【流通チャネル構築時に考慮したい6つの要因】
最後に、流通チャネル構築時に考慮しておきたい6つの要因についてご説明いたします。

 

前出の6つのプロセスとともに、流通チャネルを検討するときに活用してみてください。

 

その結果、自社がどのような流通活動を行うべきか理解できることでしょう。

 

・人口動態
・製品特性
・顧客の購入スタイル
・経済性(投資額、維持コスト)
・競合の流通チャネル政策
・自社のブランド力、製品ライン、サービスの競争力

 

流通戦略(流通チャネル構築プロセス)

 

 

<人口動態>
年齢、性別、職業など、どのような顧客がどのくらいいるか検討します。

 

<製品特性>
製品のイメージ、使用方法、価格などの要素を検討します。

 

<顧客の購入スタイル>
配達やまとめ買いなど、顧客の購入スタイルを検討します。

 

<経済性(投資額、維持コスト)>
流通チャネルへの投資や維持コストを検討します。

 

社内で完結できない流通チャネルは、それだけ投資もコストもかかります。

 

<競合の流通チャネル政策>
顧客に対してより影響力のあるチャネルを使うことで、競合に打ち勝つ戦略を構築できます。

 

<自社のブランド力、製品ライン、サービスの競争力>
ブランド力があり、製品ラインやサービスにも競争力があれば、流通チャネルへの交渉力は高まります。

 

反対にそれらが乏しければ、好条件を提示しなければ取り扱ってもらえない場合もあります。

 

 

【まとめ】
・「流通チャネルの構築」はマーケティング活動の一環として熟慮する
・流通チャネル構築のプロセスは次の6つ
 @ターゲット市場・自社経営資源の把握
 Aチャネルの長さの決定
 Bチャネルの幅・排他性の決定
 C展開エリアの決定
 Dチャネルメンバーの選定
 Eチャネルの動機づけ政策の決定
・それぞれのプロセスにおいて、自社が行うべき営業活動も見えてくる
・流通チャネル構築時には、次の6つの要因についても検討すべき
 ◎人口動態
 ◎製品特性
 ◎顧客の購入スタイル
 ◎経済性(投資額、維持コスト)
 ◎競合の流通チャネル政策

 ◎自社のブランド力、製品ライン、サービスの競争力

 

 

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