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価格戦略@(製造コストとカスタマー・バリュー) その1

価格戦略@(製造コストとカスタマー・バリュー) その1

【価格の上限と下限を決める要素】
あなたは、商品を購入しようと決断するときに、どのような要素を判断材料として考慮しますか?

 

性能、外観、評判などさまざまなポイントがあるかとは思いますが、やはり、何といっても「価格」が決め手となるのではないでしょうか。

 

いくら必要だと感じるものでも、良いものでも、あまりに価格が高ければ購入を断念せざるを得ませんよね。

 

商品の価格設定というのは、マーケティングにおいても重要なポイントとなります。

 

消費者が価格に応じて購入を決断することからも分かるとおり、ひとだび価格設定を誤ってしまえば、それだけで売上が大きく落ち込んでしまう場合があります。

 

新商品であれば、それまで投下してきたコストがムダになってしまいますので、企業としては大きな損失でしょう。

 

そういった事態を避けるために、適切な価格を設定するための方法を知らなければなりません。

 

なかでも、価格の上限と下限を決める2つの要素「製造コスト」と「カスタマー・バリュー」を理解しておかなければ、的はずれな価格設定をしてしまう恐れがあります。

 

ただ一方で、上限と下限の範囲をあらかじめ把握しておけば、それほど大きな価格設定のミスをすることはなくなるでしょう。

 

価格戦略(製造コストとカスタマー・バリュー)

 

詳しくは後述しますが、ここで簡単に説明しておくと、「製造コスト」とは言葉のとおりその商品を製造するためにかかる費用のことです。

 

企業が営利を目的としている以上、コストを下回ってしまう価格を設定するのは、特別な目的がある場合を除いてあり得ません。

 

コストを下回る価格での販売は、たしかに社会に対して価値を提供することにはなりますが、それはビジネスではなくボランティアでしょう。

 

また、「カスタマー・バリュー」とは、顧客がその商品に対して適正だと認める価値のことです。

 

「その商品だったら、1万円ぐらいの価格でしかるべき」と顧客が判断するものであれば、1万円を大きく乖離する商品は受け入れられないことになります。

 

つまり、その他の特別なベネフィットがなければ、売れないということですね。

 

価格設定の初期段階では、まず、「製造コスト」と「カスタマー・バリュー」の2点を、しっかりと意識することからはじめましょう。

 

 

【例題】
それでは、例題をとおして、価格の上限と下限を決める要素について学んでいきましょう。

 

先ほども述べたとおり、価格設定はマーケティング活動のなかでもとくに重要なポイントとなります。

 

その製品を開発するまでに行ったマーケティング戦略のすべてを反映させながら、市場および顧客に受け入れられるような価格設定を意識するようにしましょう。

 

<例>
主にインターネット上での企業のPR活動を支援しているA社は、事業基盤を強固にするために、新しいサービスの展開を模索していました。

 

具体的には、新規で会社を創業する創業者を支援するサービスとして、A社のホームページ上に掲載されたPR記事が一定レベルのアクセスを達成できた企業には、広告料を減額するという試みを行うことにしたのです。
そうすることによって、使える資源が乏しい創業期にもA社のサービスを利用してもらうことが狙いです。

 

そこでA社の社長であるFさんは、開発担当リーダーのGさんに新サービスの内容を詰めるように指示しました。

 

創業企業に対してど程度の割合で減額するかや、減額期間についてどのくらいの枠を設定するべきかなど、実際にサービスをリリースするために決めなければならないことはたくさんあります。

 

サービスの方向性を理解したGさんは、さっそく開発担当チームを発足し、新サービスについて議論することにしました。

 

最終的にリリースするためには価格を決めなければなりません。

 

ただ、サービスの内容をみんなに周知させても、いかんせん価格の部分で折り合いがつきません。

 

そもそもの価格をそのまま据え置くべきなのか、あるいは創業企業は最初から低めに設定するのか。

 

また、設定したアクセスを達成した企業に対してはどの程度の減額を行うべきかなど、議論は並行性をたどったまま最終的な判断ができませんでした。

 

新しい試みであるだけに、無理のないことかもしれません。

 

見かねたGさんは、マーケティングにおける価格設定の基本的な考え方である「製造コスト」と「カスタマー・バリュー」を考慮するよう提案しました。

 

下限である製造コストに関しては、A社のサイト運営費や保守管理、あるいはPR記事を投稿するためのシステム開発費などを目安とし、上限であるカスタマー・バリューについては、これまで他の企業に利用してもらっている中からもっとも腑に落ちるであろう相場を算出して決めるのです。

 

そうすることによって、新サービスの価格が自然と決まり、また説得力のある価格設定をすることができるようになりました。

 

新しいサービスが成功するかどうかはまだ未知数ではありますが、価格の段階で初期利用のハードルを下げることによって、創業期の企業にも利用してもらいやすくなったことは間違いありません。

 

あとは、価格の上限と下限を考慮しながら、微調整しつつ展開していくことを検討しています。

 

 

<解説>
とくに新商品や新サービスを リリースする際には、価格設定は難しいものです。

 

これまでの指標(既存の商品やサービスの価格)がそのまま応用できるとも限りませんし、場合によっては相場から乖離した価格設定をしてしまうこともあるかもしれません。

 

それだけに、「製造コスト」と「カスタマー・バリュー」という価格の上限と下限を意識しつつ、その範囲内で最適な数字を模索することが重要となるでしょう。

 

 

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