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価格戦略D(心理的価格設定、価格調整法、値下げ) その2

価格戦略D(心理的価格設定、価格調整法、値下げ) その2

【5つの価格調整方法】
次に、価格設定後に価格を調整する方法について学んでいきましょう。

 

価格政策そのものは、マーケティング戦略のなかにおいて、容易に変更するべきではありません。

 

しかし、短期的に売り上げを伸ばすためなど、個別の目的がある場合には柔軟に対応することが必要となります。

 

とくに値下げをするときは慎重に行うべきでしょう。

 

価格の調整方法は大きく次の5つの手法があります。

 

@地域別設定
A割引とアローワンス(報奨)
Bプロモーショナル価格
C最別的価格設定
Dプロダクトミックス価格設定

 

価格戦略(価格の調整方法)

 

<地域別価格設定>
「地域別価格設定」とは、異なった地域ごとに価格を調整する手法です。

 

それぞれの地域や顧客の特性にあわせて価格を変更していきます。

 

同じ製品でも、地域によって価格差を設定することによって、売り上げを伸ばすことが可能です。

 

<割引とアローワンス(報奨)>
割引方法に関しては4つの手法があります。

 

まず「現金割引」です。

 

これはすぐに購入を決断してくれる顧客に対して、価格を下げて支払いを確保する手法です。

 

現場で直接交渉する場合などに用いられます。

 

次に「数量割引」です。

 

これは一度に大量購入してくれる顧客に対して価格を割り引く手法です。

 

まとめ買いによって一個あたりの単価が下がる例はよくありますね。

 

3つめは「季節割引」です。

 

旬を過ぎてしまった季節外れの商品を、価格を下げて購入を促進させるという手法です。

 

洋服などによく見られる手口ですが、場合によっては当初の半額やそれ以下の値付けをすることもあります。

 

最後に「機能割引」です。

 

これは小売業者や卸売業者に対しての割引です。

 

それぞれの機能を考慮し、また流通秩序維持のために、消費者よりも小売業者、小売業者よりも卸売業者の割引率が高くなります。

 

価格戦略(4つの割引方法)

 

一方で「アローワンス(報奨)」とは、小売業者に対して販売促進キャンペーンに参加させるなど、プロモーション活動の一環として協力してもらった場合に一定の報奨を支払うことです。

 

一見、価格とは関係のない活動のように思われるかもしれませんが、支出が増えることもあり、結果的に値下げとほぼ同等の意味合いを持ちます。

 

 

<プロモーショナル価格設定>
「プロモーショナル価格設定」とは、特定のプロモーション効果を狙って値付けをする手法です。

 

発売当初から認知度を高めるために、期間限定で驚くような低価格で市場に投入する事例や、試験的に価格を変更して顧客の行動を観察する事例などがあります。

 

 

<差別的価格設定>
顧客のタイプや製品ごと、あるいは市場の特性によって差別化した価格設定を行う手法が「差別的価格設定」です。

 

たとえば携帯電話の料金プランは、各社において学生と一般で異なっている場合が多く、差別化することで購買促進につながっています。

 

また飛行機や客船などの運賃は、座席の質やサービスによって価格を大きく差別化したプライシングがなされています。

 

 

<プロダクトミックス価格設定>
その製品がプロダクトミックスの中の一部である場合に、価格を調整する手法が「プロダクトミックス価格設定」です。

 

他の商品との兼ね合いで価格を決める場合や、製品のラインナップの一環として価格帯を設定する場合などが当てはまります。

 

ラインやアイテム数、バリエーション、製品の一貫性などの観点から設定することが大切です。

 

富裕層向けは高額に、一般大衆向けは低額に設定するのが一般的です。

 

 

【値下げ時の注意点】
最後に、商品を値下げする際の注意点についてご紹介しましょう。

 

プロモーションや価格戦略の一環として値下げを行うことは多いですが、慎重に行わなければ顧客の理解を得ることはできません。

 

「値下げをすれば顧客は喜ぶはず」などと安易に考えず、価格変更によるさまざまな影響を総合的に判断して行いましょう。

 

 

<注意点1.成長期の価格設定>
成長期に到達した商品は、価格が横ばいになるか、あるいは値下げする傾向にあります。

 

なぜなら、生産の技術が向上し、規模の経済によって費用が低下、また販売量が増えてリスクが減るからですね。

 

もちろん、顧客の交渉力が高まるという側面もあります。

 

そうしたときに、値下げやラインナップの拡充が適切に行えなければ、競争力が鈍化してしまうことも。

 

たとえばパソコンなどは、技術革新と顧客の嗜好にあわせて以前より大きく値下がりしています。

 

 

<注意点2.値下げへの対応>
また値下げ全般について言えることですが、値下げによって顧客にマイナスのイメージを与えてしまわないように注意しなければなりません。

 

たとえば日用品や食品などの場合、急に半値まで下げたことによって「品質が低下しているのでは?」「欠陥商品なのではないか?」「売れ残りの問題商品なのでは?」などと思わせてしまっては、いくら安くても売れないでしょう。

 

また、一度値下げをすれば、もとの価格に戻すことは容易ではありません。

 

あるファーストフード店では、頻繁に価格を変更することによって、顧客離れが進んでしまったという例もあります。

 

マーケティング戦略の視点をもって、長期的に実効性のある値下げを行いましょう。

 

 

【まとめ】
・価格設定においては、「消費者の心理」を無視できない
・心理的価格設定の手法には次の4つがある
@段階価格
A名声価格
B端数価格
C慣習価格
・価格を調整する場合には次の5つの手法を参考に
@地域別設定
A割引とアローワンス(報奨)
Bプロモーショナル価格
C最別的価格設定
Dプロダクトミックス価格設定
・値下げは顧客を納得させなければならないので、慎重に行うべき

 

 

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