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製品戦略B(製品ライン設計、PPM、製品陳腐化政策) その1

製品戦略B(製品ライン設計、PPM、製品陳腐化政策) その1

【製品ラインの設計】
製品戦略を考える際には、製品を製造するための「製品ライン」についても考慮しなければなりません。

 

製品ラインとは製品アイテムの集合のことです。

 

例えば自動車メーカーで言えば、乗用車やトラックなどの種類があり、乗用車の中でもセダンやワゴン、軽自動車などがありますね。

 

製品ラインでも戦略を構築することで、製品がヒットした場合に増産したり、あるいはさまざまなバリエーション加えることも容易となります。

 

そうすれば、新しく新製品を開発することなく売上をアップさせることができるため、マーケティングの活動効率の観点からも重要なことと言えるでしょう。

 

製品ラインを考慮する場合には、幅と深さという2次元の領域で検討しなければなりません。

 

幅とはつまり製品そのものの種類のことであり、深さとは種類ごとの異なるモデルのことです。

 

デスクトップパソコンもノートパソコンも、あるいはタブレット端末も開発するのが幅であり、デスクトップの中でも容量や画像処理能力などで違いをもたせるのが深さということですね。

 

とくに、製品ラインの深さを模索する場合には、複数の軸を設けることでアイデアが生まれやすくなります。

 

たとえば、高齢者・中高年・若年層などで区分したり、高価格・中価格・低価格などで商品のラインナップを用意すれば、より幅広いニーズに応えることができるでしょう。

 

最終的には、利益と企業戦略の双方から製品ライン戦略を構築するべきですね。

 

製品ライン政策に影響を与える要素は、次の5つです。

 

@顧客のニーズ
A製品ごとの収益性
B競合他社の状況
C自社製品同士のカニバライゼーション(共食い)
Dリスクの分散

 

製品戦略(製品ライン設計、PPM、製品陳腐化政策)

 

新製品開発時のような単体の製品について検討するべき項目だけでなく、全社的な影響を考慮したものが多いことがポイントです。

 

製品ラインが生むメリットもデメリットも、製品単体よりも多い場合がほとんどですので、より慎重な判断が求められることは言うまでもありません。

 

そのため、中長期的な視点で検討していく必要があります。

 

 

【例題】
それでは、例題をとおして、製品ライン設計についての理解を深めていきましょう。

 

製品ラインを整備するにあたっては、5つの要素をどの程度考慮するべきかということがポイントとなります。

 

すべての要素を完全に網羅することは難しいかもしれませんが、可能な限り横断的に判断することがベストだと認識しつつ、読み進めてみてください。

 

<例>
全国的に、自動車の製造から販売まで行っているB社は、ここ数年の若者の自動車離れに苦慮していました。

 

とくに、都会の20〜30代を中心にカーシェアリングやレンタカーを利用する動きが広まり、自家用車を購入する人は右肩下がりに減っています。

 

このままでは、長期的な成長を望めないばかりか、企業の存続も危ぶまれてしまいます。

 

そのような現状を打破すべく、社長直轄の戦略部では、イノベーションをおこすための新しい企業戦略について、連日会議が行われていました。

 

しかし、そう簡単に妙案が浮かぶわけもなく、ここ数日は内容が煮詰まってしまっています。

 

戦略部の部長であるSさんは、仕方なく外部コンサルタントにアドバイスをもらうことにしました。

 

依頼した企業戦略専門のコンサルタントによると、B社では現状の把握ができていないことが問題だと指摘されました。

 

とくに、製品についての研究はともかく、現状を加味した製品ラインの設計が甘いとのことです。

 

S部長は、さっそく部下を集めて、製品ラインの調査をはじめることにしました。

 

もちろん、意味のない会議は中止です。

 

あらためて製品ラインについて調べてみたところ、製品ラインナップの拡充の点で問題があることが分かりました。

 

たしかに、B社の主力商品であるエコカーの売れ行きは好調でしたが、種類が少なく、顧客のニーズに幅広く応えることができていなかったのです。

 

また、他の売れ行き不振な自動車も、そのままにされていました。

 

そこでS部長は、コンサルタントのアドバイスに従い、次のような方針を打ち出すことにしました。

 

ポイントは次の5つです。

 

・エコカーのラインナップ拡充
・売れ行き不振な自動車の廃止
・一般大衆車からの撤退
・製品ごとの明確なターゲティング
・海外への積極投資

 

製品戦略(製品ライン設計、PPM、製品陳腐化政策)

 

具体的には、主力商品であるエコカーを、価格や性能などの違いで複数展開し、トラックなどの商業用自動車にも拡大させながら、「エコカー専門」の自動車会社へと生まれ変わるというものです。

 

競合他社の競争が激しい一般大衆車からは撤退し、エコカーといえばB社と印象付けられるかどうかが勝負となります。

 

また、リスクを分散させるために、海外への積極投資も加速させました。

 

その結果、環境への意識が高い顧客層だけでなく、ガソリン価格の高騰に嫌気がさしたユーザーの支持を得て、将来的な展望を見い出すことができるようになりました。

 

これからは、自社でもカーシェアリング事業やレンタカー事業を展開し、低燃費をウリに、競合他社よりも安価なサービスを行っていく予定です。

 

 

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