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競争戦略B(後続企業の戦略) その2

競争戦略B(後続企業の戦略) その2

<例>
大小さまざまな飲食店を支援しているコンサルティング企業のA社は、ここ数年、新しく飲食業を開業する方が増えている点に注目して、さらに事業を拡大しようと考えていました。

 

具体的には、創業から数年して伸び悩んでいる事業者をサポートするだけではなく、創業当初からも支援できるような体制も整えようとしています。

 

その理由は、創業後およそ3年以内に、ほとんどの店舗が廃業してしまう実態があるからです。

 

自分で事業をやりたいと思い、飲食業界に参入するまでは良かったのですが、結果的に廃業してしまっては意味がありません。

 

そうした状況を打開するために、A社が創業時からサポートして、飲食業界全体を盛り上げようとしているのです。

 

社長のUさんは、飲食店が廃業してしまう背景には、飲食業界への参入が容易であるということが、逆に裏目に出ていると考えています。

 

参入が容易であるからこそ、安易に開業してしまい、結果的に不十分な経営計画を断行することになってしまっているというのです。

 

そうした事実を伝えなければ、廃業する店舗は減りません。

 

U社長はまず、そうした事実を書籍やインターネットを通じて伝えることにしました。

 

そのうえで、創業時にはサポートが必要だということを訴え、A社のサービスを利用するように促したのです。

 

また、創業時は資金的に苦しいということが少なくないので、サポートは必要最小限にとどめ、料金は格安に設定しています。

 

こうしたA社の働きかけによって、サポートを受けた店舗は、どうにか廃業しないで事業を継続できるようになってきました。

 

ただ、大きく成長するためには、さらに戦略を構築しなければなりません。

 

U社長は、社内のマーケティング部門に、伸びている店舗とそうでない店舗とを分析させ、最適な戦略を検討ました。

 

その結果、小規模の店舗に関しては、世間で一般的に言われているような戦略をとるべきではないということが判明しました。

 

具体的には、商圏内でのシェア拡大や市場そのものの開拓をしても、結局は大手のチェーン店に太刀打ちできないということです。

 

そこで、小規模店舗向けの「集中戦略」と「差別化戦略」を考案しました。

 

例えば居酒屋を業態にしている企業には、ただの居酒屋ではなく「全国から取り寄せた様々な芋焼酎が楽しめる居酒屋」など一つの「売り」をつくり、その部分では他店舗に負けないように集中・差別化するようアドバイスしていきました。

 

飲食店の経営者は一国の主となっていることが多く、最初のうちはなかなかA社のアドバイスを実行に移しませんでした。

 

しかし、少しずつ成功事例を増やしていくことにより説得力が高まり、A社が考案した戦略を採用するようになったのです。

 

その結果、これまで以上に成長する店舗が増えていきました。

 

こうして小規模店舗向けのコンサルティングメニューを完成させたA社は、さまざまな業態の店舗に対し、総合的なサポートを行えるようになりました。

 

しかも、創業当初から成長するまでを支援することによって、息の長い付き合いができるようになり、収益力も安定していったのです。

 

今後は、融資などの財務面も含めた援助も行う予定です。

 

<解説>
後続企業は、後続企業に適した戦略を採用しなければなりません。

 

市場やシェアの拡大を目指すのは王道ではありますが、必ずしも小規模店舗に向いているとは言えません。

 

市場を拡大しても、恩恵を得られるのはリーダー企業だけということにもなり兼ねないのです。

 

だからこそ、自社の規模や立ち位置に沿った戦略を採用し、より有利に事業を拡大していく発想が必要となるのですね。

 

A社が支援している小規模の店舗に関して、チェーン店が行っているようなやり方を採用しては、うまくいかないのも無理ありません。

 

とくに、創業当初はまず利益を軌道に乗せることから考えなければなりません。

 

その後、成長させるフェーズになってから、その時に最適な戦略を構築するべきなのです。

 

 

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